らもさん

中島らもさんが亡くなってもうすぐ12年になる。7月であった。まっさんかららもさんの死を知らせるメールがあった。
僕はらもさんが大好きで、書籍やテレビ番組をフォローしていたから非常にショックだった。ただ、死の直前のらもさんのエッセイや対談、大麻所持で逮捕されたことなどから「らもさん最近大丈夫かな?」と思っていた。特に逮捕についてはビックリした。らもさんは「国内で非合法の薬は絶対にやらない」とよく書いていたからだ。

僕がらもさんを読み出したきっかけは父であった。ソファーでゴロゴロしていたある日、父が「たまらん人々」を買ってきてくれたのだった。ソファーに寝転びながらワクワクして読んだことを今も覚えている。無機質なはずの文章で爆笑したのはあれが初体験だった。
それから昼飯代をつぎ込み、らもさんの文庫本を買い漁った。二冊目はこれまで「当然のもの」と認識していた事象を深く分析する視点を教えてくれた「僕にはわからない」だった。「とほほのほ」「変!」「なにわのアホ力」…。らもさんのエッセイは僕の人格形成に重大な役割を果たしてくれた。
らもさんのエッセイは爆笑を呼ぶエンターテイメント性だけでなく、らもさんの優しさを感じることができる。僕にも「ええやん、別に」と語りかけてくれそうな予感。らもさんと生涯で一度は会いたかった。
思えば、どこまでも優しいエッセイが書ける作家でミュージシャン。憧れるという点でこれ以上の人に出会うことはないと思う。もうすぐらもさんの亡くなった7月が来る。

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