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スクランブルエッグ、夢にインコ、シャツの折り目が増えていく

夜勤から帰宅したのはam 9時ごろ。卵2つのスクランブルエッグを作って少しチーズを混ぜて食べた。今日も夜勤だから横になるもうまく眠れず、ちょっとだけアコギを弾いた。作りかけの曲の歌詞があんまりだったので、布団にくるまりながらぼんやり詞を考えていたらいつの間にか寝ていた。

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pm 4時起床。子供のころ飼っていたインコが夢に出てきた。すごく久しぶりに会った。はじめは元気だったのに少し目を離したらとても弱ってしまっていて、今にも死んじゃいそうだった。フラフラしながらなんとか私の指にとまって、くちばしを鼻に擦りよせてくるから、愛おしくて余計に辛かった。夢の最後の方では何とか持ち直していたけど、起きてから発作みたいに泣いた。あの喪失、ぽつねんと置き去りにされるような感じは、現実でも、夢でも、しんどい。

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私には3つ上の兄がいて、その兄が中学に上がってすぐの誕生日に親にねだって飼い始めたセキセイインコだった。インコが家に来てから半年も経たないうちに兄は飼育に飽き、押し付けられるようにして私が世話をはじめた。
毎日水を変えるのも、インコが食べた残した穀物のカラをゴミ箱の上で吹くのも、週に1度は小屋を丸洗いするのも、なんで私がって思いながらやってた。でも私の襟元にとまって唇を優しく噛んでくるところや、くちばしの脇を指で撫でると気持ちよさそうに目を閉じる仕草は可愛かった。

飼い始めて2、3年が過ぎた頃、床を歩いているインコを誤って踏んでしまった。幸い大きな怪我はなかったけど信頼を失ってしまって、撫でようと手を伸ばすと指を強く噛まれるようになった。それから数年が経って、ある時からご飯をあまり食べなくなって、理由がわからなくて動物病院に連れて行ったけど、結局良くならなかった。

その朝、起きて鳥籠の布をとったら止まり木にいなくて、あれ、と思って籠の中を見回してすぐ、底の格子にポトリと落ちてるのが見えた。持ち上げたらとても軽かった。亡骸は布に包んで土に埋めた。ペットは二度といらないし、たとえ家族が飼いだしても私は極力関わらないと決めた。

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現在はpm 6時。洗濯物をのろのろ畳んでいたらもうすぐ家を出る時間。私は昔からシャツを畳むのが下手だ。お店に並んでるみたいな綺麗な長方形にしたいのに上手くいかず、いつもぐちゃっとしてしまう。そうして畳むたびシャツに折り目が増えて、シワシワな見た目になっていく。もう仕方ないのかな。

起きてからずっと胸がシーンとしている。明日なにか届く気がするけど、なんだったか思い出せない。思い出せないことは年々増える。だけど記憶は今日の夢みたいに不意に顔をのぞかせて、心をさらってはまた消える。

23/12/7 窓日記#2

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