社会科散策-論述(日本史11)奈良時代の外交・文化

〔奈良時代の東アジア外交〕
 唐に対しては,先進的な文化を摂取するため,朝貢外交をおこなった。新羅に対しては,日本の従属国として扱おうとしたことから,時には緊張が生じた。渤海に対しては,新羅との対抗関係から友好的に通交した(詳説日本史)。
遣唐使派遣の役割・意義について述べよ。類題(東大2009)
 7世紀後半の遣唐使は,新羅への対抗策として,及び唐との関係改善のために派遣された。8世紀の遣唐使は,あらたな国号を認めてもらうため,及び唐の進んだ文物を吸収するために派遣された。
8世紀の日本と唐及び新羅との外交関係を述べよ。類題(東大2003)
 建前は,日本は唐を含め周辺諸国を服属させる立場をとった。しかし,実際は,唐との関係では,唐を中心とする国際秩序のもと唐の臣下として対応した。新羅との関係では,服属を拒否する新羅と緊密な文化交流を行なった。
〔天平文化〕
 天平文化の特色を簡潔に述べよ。
〔解答〕多くの異国文化が流入していた盛唐文化の影響を受けた国際色豊かな性格をもち,また,仏教は国家仏教としての性格が強く多くの寺院造営がなされた。
(解説)
 唐にはインド・ペルシア・東南アジアなど,多くの異国文化が流入しており,天平文化はこの国際色豊かな唐文化の影響を受けている。また,この時期の仏教は鎮護国家の役割を担うにとどまり,民衆の心のよりどころとはなっていなかった。

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