社会科散策-論述(日本史03)弥生

〔身分の発生〕★類題(お茶女附属平成18年度) 
 弥生時代に身分が発生したのはなぜだと考えられるか。簡潔に説明しなさい。(40字前後)
〔解答〕水田稲作の耕地や水利をめぐる争いが生じ,集落での統率者や指導者の地位が高まったから。(41字)
(解説)
 水田稲作の始まりにより定住化がすすみ人口が増加した。そのため,水田稲作の耕地や水利をめぐって集落内部および集落間で争いが生じるようになった。抗争の頻発にともない指導者や統率者の地位が高まり,大きな集落の統率者は財力と武器を所有し強大な権力を持つようになった。ここに支配者・被支配者関係が生じ,階級・身分が発生していった。ほかに,水田耕作→余剰生産物→貧富の格差(財力)→階級・身分という流れもあり得る。

参考(稲作と社会の変化)
 稲作が広まってどのように社会が変わったのか,次の三つの語句を使って説明せよ。〔戦争/小さな国/王〕(中学歴史東京書籍p31)
⇒稲作が広まると,生活が安定し人口が増えていった。その結果,耕地や水利をめぐって集落間で戦争が生ずるようになり,勝った集落は小さな国を形成していった。国の支配者は財力と武器を所有し強大な権力を持つに至り,として君臨するようになった。                  

〔稲作文化〕弥生時代に北海道や南西諸島で稲作文化が広がらなかったのはなぜか。
〔解答〕稲作に適した気候や土壌ではなく,また漁労・狩猟の採取経済が発達していたからである。
(解説)
 北海道の文化は,続縄文文化(紀元前後~8世紀)と呼ばれる。鮭・鱒などを採集した(漁労文化)。また,続縄文文化を継承し7世紀から13~14世紀ころまで続いた文化を擦文文化といい,この文化も漁労・狩猟が中心であった。奄美・沖縄などの南西諸島の弥生時代の文化は,貝塚文化と呼ばれる。貝類などを採集した(漁労文化)。

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