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息子(4)の手術の話③

明日、ついに息子は検査入院をする。



ここ1週間、
手術のことを考えては気持ちが落ち込み、
嫌な時間を過ごした。

この感覚は息子が1歳のときに全身が浮腫(むく)んだときに似ている。

…1歳のとき、息子は

「蛋白漏出性胃腸症(たんぱくろうしゅつせいいちょうしょう)」

と診断された。

これは食べたタンパク質が小腸で吸収されずに
体外へ流れてしまう病気だった。

タンパク質が体内に摂取されず、
血液中のタンパク質の濃度が下がると
尿が生成されづらくなる。

尿がうまく出なくなると、
水分が体内に溜まる。

水分が溜まった結果、
身体に浮腫(むくみ)が表れる。

1歳のときの息子は、急に太ったように感じた。

様子がおかしいのは明らかだった。

まぶたが腫れあがり、
目が半分くらいしか開かなくなっていたのだ。

あのときのかかりつけ医に行ったときの感じ、
また、
そのかかりつけ医に

「ここじゃ検査できないから大学病院紹介しますね」

と言われたときの感じに似ている。

不安で仕方がない、あの感じだ。



入院の結果、ミルクアレルギーが発覚した。

乳製品のアレルギー反応によって
腸に異常が起こり、
タンパク質をうまく摂取できなくなっていたらしい。



ミルクアレルギーが発覚した日から
乳製品を完全に除去した。



乳製品を除去したら数日で浮腫(むくみ)はなくなり
スッキリした身体になった。



そして2年かけて、
今では牛乳が飲めるようになった。

話を今現在に戻そう。



今回は入院の付き添いを妻に任せている。

1歳で入院したときは僕が付き添いだった。

今回も僕が一緒に入院しても良かったが、
妻の方が気が回るのは明らかだ。

先生から説明があったときに、
そのまま受け取るだけでなく、

「え、それってどういうことですか?」

といった質問ができる。



僕が病院に子どもを連れて行ったときに

「この薬はあの薬と飲み合わせていいの?」
「この薬の保存方法は?」

といった、先生から説明を受けていない部分に気がつくのは妻だった。

こういったことから
今回の付き添いは妻にお願いすることにした。



…今回の入院も不安で仕方がない。



ここ最近、息子は僕に懐いてくれている。

先日病院に行き別室で採血をした際も

「父ちゃん!
…父ちゃんっ!
…うわぁっ父ちゃん!
なんで行っちゃうんだよ!父ちゃん!」

と、僕の膝に泣きついてきた。

(なお、妻はそのとき
「いやここはママに来いや」
と思っていたらしい。笑)

そんな可愛い息子が明日、検査入院する。

とにかく無事を願う。

できることなら、

「腸回転異常症は誤診でした」

と言われたい。



息子の腹なんか切られたくないに決まっている。

マジで愛くるしい息子だ。

腹を開けて腸を動かすなんて考えたくない。



…とにかく、息子に良い運が全て吹いてほしい。


僕はもう、ついてないことだけでいい。


あと50年、僕は不運続きで良い。


そのぶん、息子に良い運を向けてくれ。


それだけでかまわない。


あとはなにもいらない。


2022/06/15

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