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潔癖症で犬嫌いだった私が、愛犬に抱きつくようになるまで(1)

このnoteを作って色々書きたいことはあれど、
これを書かずして始めることはできなかった。

2021年のお正月。

コロナが猛威を振るう中、関西への帰省もできず、
関東で静かに過ごしていた当時妊婦の私と夫ちゃん。

そんな正月に事件は起きた。


もともと、私は犬嫌いだった。

どれほどかというと、目の前から犬が歩いてきたら、
犬種に関わらず、3〜4mは離れてすれ違うようにしていたほど。

犬の声が聞こえるだけでそちらを超速で振り返り、
逃げ方を頭の中でシミュレーションしていた。


そもそもなぜそんな犬嫌いなのかというと、
真偽は私の記憶にはないので定かではないが、
昔、犬に追いかけられたらしい。

実際は、追いかけられたというよりも、
犬の走る方向に走っていただけらしいが…


加えて私は潔癖症だった。
幼少期、祖父母と過ごす時間が長かった私だったが、
祖父母は異様なまでに綺麗好きだったのだ。

その程度というのは、
幼少期の私が、靴下を触っただけでも
「(汚いから)死んじゃう?」と聞いていたほど。

だから犬以外の動物も基本は触れなかった。

触るためには、近くに手を洗える場所があることが必須だった。
一度触ってしまったら、手術前の医師のように両手をあげながら
手を洗える場所めがけて一目散だった。

学生時代は鞄を下に置くなんてできなかったし、
社会人になってからも、客先ミーティングの際に
鞄を下に置かなければいけない状況を恨んでいた。
(これは今でも嫌かもしれない)


そんな私に起こった大事件。

それが、これだ。

注目すべきは可愛いことではなく、
これがどこかということだ。

そう、家族が増えたのだ。

屋外ではない、屋内飼いである。
つまり、家の中にわんこ様をお迎えしたのだ。

犬嫌いで潔癖症な私が、なぜ迎えたのか。

1つ目の理由は、夫ちゃんが飼いたいと言ったからだ。

前々から犬が好きなのは知っていた。特に柴犬。
いつか飼いたいと、ずっと言っていた。

そんな夫ちゃんに対して、私は、
「まずは(私が気にせず過ごせるような)計画書を作って」
と言っていた。


2つ目の理由は、私が妊娠していたからだ。

4月が予定日だったので、つまり3ヶ月後には生まれる状況。
飼い始めるならば、子供が生まれた後は難しいだろう。

さらには、人間以外の生き物と一緒に暮らすという経験は
子供にとってもプラスに働くだろうという期待があった。

もし仮に、私もそうであったなら、
潔癖症や犬嫌いで気にしながら生きることはなかっただろうと、
どうしても思ってしまうのだ。
何かを気にして生きるというのは、それだけで疲れるのだ。

気にしない方が楽なはずだ!
他の人が目いっぱい動物を愛でて癒されてる裏で、
私は水道を探しているのだから、その違いや雲泥の差である。
Q.E.D.。


そして3つ目の理由は、出逢ってしまったからだ。

年末にペットショップに立ち寄った。

仕切りがあるので犬から触られる危険性がなく、
見る分には可愛いと思う私は、
ペットショップに入ること自体は抵抗はなかった。

この時は計画書をもらっていたわけでもなく
飼うことを許したわけでもなかったが、
息子が生まれるということもあり、
犬を飼う気0%から10%くらいは上がっていたと思う。

そんな中で、赤い豆柴に出逢ってしまった。

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再度その店の前を通ると、「あの子まだいるかな?」
と思うほどには心が奪われていたようだ。

年末に二度訪れ、結局抱っこはせずじまい。
この時であれば、まだ戻ることはできた。

しかし年始、再び気になって店に入ってしまい、
何を思ったのか抱っこまでしてしまったのだ。

私にとっては大事件である。

そこまで心が奪われていた。

「飼ってもいいんじゃないか」と、
夫ちゃんに言ってしまったのは私だ。

計画書なんてくそくらえ。ケセラセラ。
なるようになる。あとから考えようぜ。

しかしそれよりも、
命を預かるという責任と向き合うことが大事だった。

散歩は1日2回。
ご飯に爪切り、シャンプー、歯磨き。

思ったよりもやることがあったのだ。
まじでできるんかいな!?

そう思ったけれど、それを言い出したら
もう一生飼う決断できんやないかと思った。

いつになったら命を預かる責任を自覚できるのかって、
時間を置いたらできるわけでもないのだ。

世話に対する不安については、
夫ちゃんが昔飼っていたというので、そこは頼りにした。

とすると、もう覚悟だけだった。


目の前にいる天使を、
置いて帰るか、連れて帰るか。

決定打は、他の誰かの家にもらわれていくことを想像した時。
「飼おう」と決断することができた。


かくして、この愛らしい豆柴ちゃんを、
うちに迎えることとなった。

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名前は、まだない。

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