バイクメーカーのイメージ

ホンダのイメージカラーである「トリコロール」は、フランス国旗同様に白・赤・青の3色で構成されています。このカラーが定着したきっかけは、1973年にアメリカで行われたモトクロスレースで、アメリカン・ホンダのチームが星条旗をモチーフにした3色のライダーウェアを使用したことから始まりました。その後もホンダはトリコロールカラーをモータースポーツで使用し、特に1976年のボルドール24時間耐久レースで優勝した「RCB1000」やパリ・ダカールラリーの「XR500」などで注目を集めました。

ヤマハは1980年代のパリ・ダカールラリーでフランスのスポンサーである「ゴロワーズ」のブランドカラーである青を採用しました。しかし、2004年にヴァレンティーノ・ロッシがヤマハに移籍し、MotoGPでチャンピオンを獲得したことで、「ヤマハ=青」のイメージが確立されました。

モトクロスの世界では、スズキといえば「イエロー」というイメージが浸透しています。

1965年に国産メーカーとしては他社に先駆けてモトクロス世界選手権に参戦したスズキは、当初は苦戦したものの、1968年の第3戦で初優勝を飾った後、1970年には250ccクラスで初タイトルを獲得。さらに翌1971年には500ccクラスでも、ライダーとメーカータイトルの2冠に輝きました。

そんなスズキがモトクロス世界選手権に参戦した1965年当時、日本にはオフロードバイクというものがほとんど存在しませんでした。そのような状況下で、わずか数年でワールドクラスの成績をおさめたことは「スズキマジック」と呼ばれ、多くの人々の賞賛を集めることに。

この時のスズキのマシンのボディカラーがイエロー。その後スズキは、モトクロス世界選手権で10連覇を果たすなど、圧倒的な成績で世界にその名を轟かせました。これが、「スズキ イエロー」の原点です。

カワサキ=ライムグリーン というカラーイメージは、ほかのどのメーカーよりも定着している印象が強いと思います。そんなカワサキがライムグリーンを採用するようになったのは、1969年のアメリカ、デイトナ200マイルレースでのことでした。

ライムグリーンは、欧米ではモンスターや悪魔のようなイメージが強く、どちらかといえばネガティブなイメージの強いカラーです。しかし、当時世界最大のバイク市場であるアメリカのユーザーに対してアピールするために、カワサキはマシンやライダースーツなどをあえてライムグリーンで統一しました


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