アニメ『好きな子がめがねを忘れた』(『好きめが』)先行きの不安要素
こんにちは、とよしまです。
先に申し開きをしておくと、原作はTwitter掲載時からめちゃくちゃ好きで、回を追うごとに小村くんと三重さんが成長していくさまがよく描かれていると思いますし、アニメも原作の根幹のストーリーや台詞回しをしっかり押さえていて素晴らしいと思っています。
そう。ストーリー「は」。
原作をお読みの方ならご存じのことかと思いますが、現在放送中のアニメのストーリーは、次回第8話で原作(既刊11巻)の4巻に入るところです。1クール12話だとせいぜい6巻あたりまでしか描けないように思われます。
つまり、2期ありきの作り方なのですが、僕が不安なのは「2期制作が消滅してしまうのではないか」というところです。
何が不安なのか。僕が思う不安要素を述べていきたいと思います。
アニメのキービジュアルとともに公開されたPV。僕が最初に持った感想は「作画が美麗すぎて原作とは別物になってしまうのではないか」というものでした。
そしていざ第1話を見て「これは違う」と思わざるを得ませんでした。
奇妙なアングル(これは制作のGohandsさんの常套手段らしいが)。美麗すぎる絵と3Dのぬるぬるした動き。3分余りにも及ぶ(原作にない)小村くんのモノローグ。ドッジボールパートの三重さんの奇妙な動き。2話以後ではときおり入る心象風景らしい背景の繰り返し(海っぽい背景や飛行機を飛ばす背景など)、三重さんの声のエコー演出の繰り返し。小村くんの心の声のテンションの高さ。などなど、映像面と演出面でのしつこさが目立つ印象でした。
幸い、先まで見ると原作を大外れすることはなく、声優さんがたの好演もあって「先が見たい」と思えるものにはなっています。ただ、この時点で「1話切り・2話切り」した人もいるのでは、と思うのです。
さらに回を進むごとに「手を抜いているのでは?」と思われるところも。超絶作画や凝った演出が減ったのは、そういうものがなくてもストーリーで魅せられる局面にきた(原作でも序盤の巻はTwitter発祥のショートエピソード中心なので、アニメ的に見せ場を作るのが難しい)といえばそうなのですが、それにしても手が抜けているのでは? そこチェックできてないんか? というところが(たとえば、一言ナレーションとともに画面に三重さんのめがねをかたどった枠が出ることがあるんですが、その枠内の文字が、当初は丸ゴシック体など、凝った字体にしてあったのが7話ではただのゴシック体になっているところがあったりとか)。
こういうことが進むと客離れが広がるのではないか、という危惧があるのです。
では新しい層を開拓できているのか、客層を広げられているのかといえば、そうでもない感じがします。
たとえば、YouTubeの公式動画で、声優さんたちがED主題歌「メガネゴーラウンド」のサビに振り付けて踊るのがいくつかあがっています(教則動画もあります)。視聴者に踊ってもらってネットミーム化させたい意図があるのだとは思うのですが、YouTubeショートやTictokに「踊ってみた」動画があがってるのを見たことがありません(検索しても出てきません)。元動画の再生数も最多で5桁行かず。バズっているというには遠い状況です。
下馬評を覆して人気を博したアニメにはしばしばネットミーム化したフレーズが見られます(『這いよれ!ニャル子さん』の「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」とか、『けものフレンズ』の「すっごーい!」など)。『好きめが』製作陣もそれを狙っているのだとは思いますが、上手くいっているとは思えません。
つまり、第1話で元々いた想定される客層を失い、その作画や演出で増やすはずの客層もあとの「手の抜けた」ものを見せることで手放し、動画で広くインプレッションを得ようとしたプロモーションも空振りになってしまっている、という風に感じられてならないのです。
このアニメで今後見たいものはたくさんあります。特に原作の7巻以後、夏休みを経て急接近しながらも思いがすれ違いながらも大団円に向かう小村くんと三重さん。そして見守り支える背中を押す周囲の人々(あまりにも後ろ向きになり過ぎた三重さんに声を荒げる遠山まほさんとか、告白を諦めかける小村くんを諭して背中を押すお母さんとかめっちゃ見たい)。
僕の「2期がなくなるのでは?」という想念が杞憂に終わることを心から願っています。
もっと売れろ。
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