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小樽商科大 工学部 編入学試験 数学 出題傾向

大問6題
試験時間90分

・線形代数
出題範囲は他大学に比べて幅広い印象を受けます。 まず最初に学ぶべきことは行列同士のかけ算です。どのような時にかけ算が定義されないかを確認しましょう。 次に優先順位が高い範囲は「固有値・固有ベクトル・対角化」になります。しかし、この分野は「連立方程式、行列式、逆行列」などの他の分野の理解が必要になりますので線形代数の中で最も重要な分野になります。通常の行列の場合はどのような時に対角化が可能であるか、対称行列の場合はどうすれば対角化できるのかを明確にする必要があります。

連立方程式はどのような時に解が存在するか、解が複数存在するのはどのような時かを明確にすることで、成分に未知定数を含んだ場合の問題にも対応できると思います。 行列式は、サラスの公式、余因子展開、行と列の基本変形を正確に理解することが必要です。そうすることで未知定数を含んだ問題にも対応できると思います。

逆行列は、二次の行列の場合は公式の利用、三次以上の行列の場合は掃き出し法か余因子行列を利用した方法で求めることができます。 以上を学習後は一次独立と一次従属の判定、グラムシュミットの正規直交化の学習を行いましょう。 ケーリーハミルトンの定理を利用したn乗を求める問題は過去2年ほど出題されています。また、部分空間の証明問題、2021年の大問2の表現行列の問題は出題頻度も低いため上記の分野の学習後に挑戦してみましょう。

・微分積分
重積分は毎年出題されているので最も優先順位は高い。ただし、難易度は簡単ではないので、重積分から累次積分への書き換え方をしっかりと理解しておくこと。

次に重要な分野は二変数関数の極値を求める問題。計算の手順を覚えれば解答できるので難易度は高くはない。また、合わせて接平面を求める公式を覚えること。

極限値を求める問題。分数関数に変形してロピタルの定理を利用して求める。不定形を回避するまでロピタルの定理を繰り返し行うこと。

不定積分・定積分の計算やテイラー展開・マクローリン展開も出題されている。積分の計算はさまざまなパターンがあるため、学習には時間がかかる。重積分で使われるような最低限の計算方法は理解しておく必要がある。

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