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放射化学11/13(日)

問1
 放射性核種A(半減期:2h)と放射性核種B(半減期:6h)の放射能が等しい
時、Aの放射能がBの放射能の2分の1になるまでの時間はどれか。ただし、AとBは親子関係にないものとする。

1、2h
2、3h
3、4h
4、6h
5、12h

解答:2


問2、クロマトグラフィについて誤っているのはどれか。

1、ガスクロマトグラフィでは液体を固定相として用いる。
2、吸着クロマトグラフィでは活性炭を固定相として用いる。
3、イオン交換クロマトグラフィでは移動相に液体を用いる。
4、ペーパークロマトグラフィではろ紙表面に吸着した水が固定相である。
5、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は液体を移動相として用いる。

解答:1


クロマトグラフィ法
 固定相と移動相に対する親和性がそれぞれの化合物間で異なることを利用した放射性核種の分離法の一つ。

暗記用にご利用ください。


問3、放射性標識化合物の放射化学的純度の検定に用いないのはどれか。

1、電気泳動法
2、電気化学的分離法
3、吸着クロマトグラフィ
4、溶媒抽出法
5、同位体希釈分析法(逆希釈法)

解答:2、4


放射化学的純度の測定に用いられる方法
・各種クロマトグラフィ法
・電気泳動法
・同位体希釈分析法(逆希釈法)

溶媒抽出法
 互いに混ざり合わない2種の溶媒の一方に溶解しているRIを他方の溶媒に抽出して分離する方法
→水相中に目的とする放射性金属イオンなどが他物質と共存するような場合に用いる。

電気化学分離法
 電気分解やイオン化傾向などを利用して目的RIを分離する方法
電気分解法
 電気分解を用いて目的RIを分離する方法
イオン化傾向を用いた方法
 
イオン化傾向を用いて目的RIを分離する方法


問4、関係ない組み合わせはどれか。

1、Rf値ーーーーーーーーーガスクロマトグラフィ
2、標識率ーーーーーーーー薄層クロマトグラフィ
3、ホットアトム効果ーーーSzilard-Chalmersジラード-チャルマー
4、同位体交換法ーーーーーWilzbachウィルツバッハ
5、¹⁴C標識化合物の合成ーーGrignardグリニヤール反応

解答:1


Rf値とは
 物質の種類に固有の値で、溶媒の移動距離に対する物質の移動距離の値であり、ペーパークロマトグラフィ薄層クロマトグラフィで用いる。

Szilard-Chalmersジラード-チャルマー
 RI化合物に核反応を起こし、別のRIを生成し、ホットアトム効果を利用して分離、精製、または同位体濃縮する方法
→ホットアトム化学
※ホットアトム:反応性に富む原子

Wilzbachウィルツバッハ
 同位体交換法の一つで、トリチウム標識化合物の生成に用いる。
→別名:トリチウムガス接触法

Grignardグリニヤール反応
 ¹⁴C標識化合物の合成を行う際の代表的な方法

選択肢2の解説
標識率
(放射化学的純度と同義)
 標識率を求めるためには、化合物を分離する必要があり、化合物を分離するためにクロマトグラフィ法を用いる。


問5、放射化分析法で誤っているのはどれか

1、感度が低い
2、精度が低い
3、非破壊分析が可能
4、微量の元素分析に適す
5、元素の化学的性質に依存しない

解答:1


放射化分析法
 非放射性物質を放射化し、その放射能を測定することで、試料中の元素の定量分析を行う方法

メリット
・微量分析が可能(=感度が良い)
・放射化後では、他の試薬が混入しても影響が無い
・化学的に性質のよく似た元素でも分離せずに定量可能(多元素同時分析)
・γ線スペクトル分析などにより、非破壊分析が可能

デメリット
・精度が低い
・副反応で目的核種以外のものが生成する
・自己遮蔽によって生成放射能が低下する
・原子炉や粒子加速器が必要


参考文献

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