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愛すべき瞬間などについて!



1月
鶴岡八幡宮に初詣に行く。人が多すぎてなかなか社殿にたどり着けない。ロープで100人ずつ区切られ、警備員が笛を鳴らすと最前列のロープが上がるので、それをぞろぞろとくぐって参りに行く。黒や茶色のコートを着込んだ大人たちが文句も言わずにそれをやるので、なんだかおかしかった。

2月
親友と映画「エゴイスト」を見る。その後の韓国料理屋で人生についての色々な話をして、大変なことがそれぞれたくさんあったけどお互いのことが大好きだし、必要で、ありがたい存在だということになりチャミスルを飲みながら2人でおいおい泣く。その後は新宿のクラブに行った。今思い出しても本当におかしな楽しい夜だった。

3月
兄の命日がだんだんと近づくにつれて今年も心が不安定になった。本当に言い表すことの出来ないしんどさが募る。心臓の底に黒くて重い砂が少しずつ溜まっていき、息や言葉の代わりに涙が出た。広島に帰り2回忌の法要に出た。法要が終わると気持ちが落ち着いたので、お経の意味や理屈が分からなくともイベントがあり、特定の場所に赴き、時間を点にして区切れることで何百年ものあいだたくさんの人の心が楽になってきたんだろうと思う。

父が還暦を迎えたので赤い衣服をプレゼントした。お酒を飲んで顔を真っ赤にして喜んでいた。

東京に戻ってきた頃、地元の友人が遊びに来た。とても寒い日、品川のレストランで食事をした。福岡の役所で働いている彼女と、東京のIT業界で働いている私とでは、高校生のときほど話が噛み合わなくて寂しかったけど、彼女は相変わらず素敵な人だった。彼女がプレゼントをくれたので、ご馳走してお返ししようとしたら、クーポンがあるから!と言って断れた。

4月

同期のうちの1人が北海道に転勤してしまった。私の数少ない2人きりでも食事に行ける同期だった。

また風邪を引いた。友人にPRIDEパレードを見に行こうと誘われていたのに行くことができなかった。代わりに友人が写真をたくさん送ってくれた。ドラッグクイーンに囲まれた友達がにこにこと笑っていた。

5月
ゴールデンウィークの中日は仕事をした。社会人2年目学んだことは、上司とは休みをずらせということである。上司が休みのときは仕事の進捗を追いかけられないので、ほとんどサボれる。上司と同じタイミングで休みを使ってしまうのはとっても勿体ないよ!まだ働いていない皆さんは参考にしてください。

6月
タイ旅行以外の記憶がほとんどない。タイに行くとタイの話しか出来なくなるのは本当だったんだ。マッサージ屋でほとんどプロレス技のようなものをおばさんたちにかけられたり、サウジアラビア人とビーチバレーをしたり、虎を撫でたり、生バンドの音楽に合わせて踊ったりしてるうちに南国での時間はあっという間に過ぎてしまった。

7月
はじめて四国に行った。都会に進出してる香川のうどんは、ずいぶんとおしゃれをして、垢抜けたうどんだったらしい。本場のうどんはもっと勢いがあり、どうだ食いちぎってみろと言わんばかりのコシがある。ぼーっとしてると後ろに並んでいる家族連れや作業着を着たような人達に追い越されてしまうので、店員のおばちゃんや職人のおじちゃんな負けない大きな声で「かけ、小!」とか言わないといけない。

8月
デベロッパーで働いている知り合いにお願いされ、新宿のおしゃれなホテルの5周年パーティーに行った。歯の浮くような、という言葉がよく似合うパーティーで、職業はクリエイティブディレクターですとか言いそうな胡散臭い大人がたくさんいた。本当にクリエイティブディレクターを生業としている方がいたらすみません。

西武園ゆうえんちのプールで人生最大の日焼けをした。楽しいのと暑いのと濡れるのとで、まともに日焼け止めを濡れなかった。たくさん泳いでお腹をすかせてプールサイドで食べるピザや焼きそばってなんて美味しいんだろ。長年一緒に遊んできた浮き輪が空気の入れすぎで破裂。福岡のミスターマックスで買った時から今の今までありがとう。

9月
はじめて名古屋に降り立った。小さな店で味噌カツを食べてビールを飲んだ。隣の席の人たちは学会帰りのようで、日本の教育について語っていた。熱田神宮もなかなか良かった。すごく暑くて緑の濃い日だった。

恵比寿にあるグリル料理のお高めの店を予約して彼氏の誕生日を祝ったが、翌日彼氏はお腹を壊していた。幸福な一年になって欲しい。

10月
会社に行く準備をしていたある朝、役員から電話がかかってきて、社長賞を取ったと言われた!成績が結構良いのは分かっていたので、部門内の賞が取れたらいいなと思っていたぐらいだったのに、びっくりした。授賞式はとっても緊張して、挨拶をしたあと社長から金一封を貰う流れだったのに貰わずに退出しようとしてしまった。仕事や自分のキャリアや可能性について、いつでも今の自分を全肯定できるほど迷いがないわけではないけど、ある一定の客観性のある価値基準の中で自分の取った半年間の行動が賞賛されるべきもの、要は「正しい」ものだったということに安心した。

11月
会社の先輩たちとロイヤルホストにはまり、ロイヤルホスト部という部活を発足した(部員は3人)。ロイホのパラダイストロピカルアイスティーが大好きで、飲むといつも頭の中は南国に暮らすゾウとか、エメラルドグリーンの海とか、マンゴーとか、そういうものでいっぱいになる。福岡に母とふたりで住んでいたとき、母が忙しくて食事を作れない時は決まってロイヤルに行っていたから、ロイヤルホストにはお気に入りのメニューと楽しい思い出がたくさんある。

12月
親友と吉祥寺にあるお気に入りのレストランで、毎年恒例 その1年を苦楽を労う食事をした。お腹がいっぱいになるまでステーキやパンを食べて、赤ワインも白ワインも飲み、井の頭公園を散歩した。来年は一緒にスペイン語教室に通うのはどうかという話をして、お互いに覚えている単語を言い合った。とりあえず私たちはスペイン語圏でも、お酒を飲んだり、肉を食べたり、図書館に行ったり、果物を買ったり、踊ったりはできるくらいに単語を覚えていることが分かったので、完璧だ。




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