〈AI時代で人である自分が活躍するためには〉

下平利稀

AI(人工知能)が一般化していくにつれて、我々の業務がAIに置き換わっていくことは、効率化という恩恵をもたらす一方、人間の出る幕がなくなるという懸念がささやかれている。これから、AI時代にはどのような人材が求められていくのか。そのスキルや資質を知るべく、私の見解・意見を述べていきたいと思う。
近い将来において「AIが仕事を奪う」「AIで仕事がなくなる」という意見を、私たちはどのように受け止めればよいのか。私たちが従事している職業や行なっている仕事を、人間ではなくAIがこなす社会というのはなんとも想像がつきにくいが、ただし、近年の第三次人工知能ブームにより、AIは加速度的な発展をとげています。機械学習やディープラーニングを通じて、AIが徐々に人間が行うような複雑な問題に対応できるようになってきているという現実があるそうだ。

AIに奪われる仕事の特徴として、以下の2点が挙げられる。
・人よりもAIの方が正確にできる、作業効率が上がる
・AIが人の代わりに全てをこなせる
たとえば、データや数字を扱う仕事は、AIが得意としている仕事のひとつだ。計算や計測などの仕事は、人が行うよりもAIが行う方がオペレーション上のミスが少なく、その作業すべてをAIがまかなうことができる。同様に、単純なデスクワークや資料整理、文字入力、機械操作などの定型業務についても、上記ふたつの特徴に当たる仕事として、AIに代替されやすいと考えられている。
上記のようにAIに仕事を奪われてしまうのはそう遠くはない。

・AI時代に特に重要なスキルとは?

総務省によると、AIの活用が一般化する時代に求められる能力として、特に重要だと考えるものは何かを有識者に対して尋ねたところ、「業務遂行能力」や「基礎的素養」よりも「チャレンジ精神や主体性、行動力、洞察力などの人間的資質」や「企画発想力や創造性」を挙げる人が多かった。また日本の就労者は「コミュニーション能力やコーチングなどの対人関係能力」が求められると回答した人が35.9%とトップとなった。いずれにしても“人間らしい”、人間にしかできない部分のスキルが重要になってくることが読み取れる。AI時代が来ると、人が行う仕事が奪われるといわれているが、AIに置き換わったときに求められる人材とは、具体的にはどのような人材なのだろうか。
実際、人工知能の登場によってカメラで伝票の写真を撮ることで仕訳は自動入力されるようになったようだ。ただ、経営者の悩みに答えるコンサルタントとしての会計士はこれからも必要だと私は思う。逆に人工知能にはできない業務といえば、『創造性を必要とするクリエイティブな業務』『高度な人間に対するコミュニケーションを必要とする業務』複雑な作業などは、これらを行う人材は今後も必要とされるであろう。
AIがどんどん浸透していくこれからの時代、ビジネスパーソンたちが個人でスキルを磨いていくに当たり、具体的にはどんなスキルを意識すればいいだろうか。私は以下の2点が今後必ず、活躍につながるスキルだと予想している。
1.高度なコミュニケーション能力
具体的にはコンサルティングスキルである。医療でも画像解析は人工知能がするようになると思うが、病人と接するコンサルタントとしての医者は今後も人間が行う必要がある。

3.想像力
想像力を身につけるには、何事にも興味を持って探求する好奇心が必須になると思う。それを養うには、何でも良いので趣味を持ち、その道を究めることが良いのではないかと思う。自分で言い換えれば、人材業界という沢山の知識や、情報を常に勉強してその業界でのプロフェッショナルにならなければいけない。
いずれも一見、当たり前のようなスキルだが、今後は重視して取り組んでいく事が大事である。今後は知識の量や学校の成績ではなく、人間としての本質的な能力が問われる時代になる。人間はより人間らしく心豊かになる業務を行い、何も考えなくてもいい業務(工場のラインなど)は人工知能が行うことになる。よって、自分で考え、自分で動くことのできる人材は今後も必要とされるのではないだろうか。