通信制大学での学び
わたしは40代前半に、三つの通信制大学に編入しました。学士(看護学)の学位が欲しかったからです。
わたしが勤務している病院は小さい病院ですが、それでも近年は大卒で学士(看護学)の看護師が増えています。わたしの病棟のスタッフにも学士(看護学)の看護師がいます。
わたしは それまでは学位に関心がなかったのですが「これからは学士(看護学)のスタッフが増えていくんだな」と思ったときに、「上司であるわたしも学士(看護学)の方が指導がしやすいのかな」と思いました。
一つ目の大学
通信制大学は何校もありましたが、わたしは心理学に関心があったので、心理学を学べる通信制大学を選びました。
しかし、大学に入学して、しばらくしてから気づいたのですが、看護師がどこの大学でも卒業したからといって学士(看護学)を取得できるわけではなかったのです。
わたしが編入した大学を卒業して取得できる学位は、学士(看護学)ではなくて、学士(人間学)でした。
どうやら、わたしが学士(看護学)を取得するには、必要な単位を取得して、学位授与機構に 看護学に関する学修成果のレポートを提出して、学修成果に関連する内容の小論文の試験に合格する必要がありました。
しっかりと調べておらず、飛んだ勘違いをしていましたが、心理学の勉強は面白かったので、結果的にはそれはそれで良かったのです。
その大学は2年間で卒業できて、学士(人間学)の学位を取得できました。
二つ目の大学
一つ目の大学を卒業して、学士(人間学)を取得したのですが、わたしの中で次の目標ができました。
もともと、学士(看護学)が欲しくて通信制大学で学びだしたのですが、心理学の勉強をしているうちに、心理学の資格も欲しくなったのです。
当時は、公認心理師の資格はありませんでしたので、大学の心理学の勉強の証として、認定心理士の資格を取得することにしました。
認定心理士は試験はなく、所定の単位を取得して申請をすることで取得できます。認定心理士の資格を保有することで、心理学の基礎知識があることが証明されるというものです。
ですが…問題が発覚しました。
一つ目の大学の心理に関する単位では、心理学実験実習の単位が足りてなかったのです。
いろいろと考えたすえ、二つ目の大学に編入することにしました。
一つ目の学校に再編入しなかったのは、二つ目の学校の方が授業料が安かったからです。あくまで心理学実験実習の単位のためだけの再編入だったので、費用で決めました。
そして、心理学実験実習の単位も取得し、認定心理士の資格を取得しました。
この資格を実際に活用したことはないのですが、資格を取得したことで、心理学の基礎知識があるということを第三者に認めてもらえたんだという自信が芽生えることができました。
その自信が、その後のわたしの実践や学びにも大きく影響したと思います。
三つ目の大学
わたしが学士(看護学)になるための取り組みは、大雑把に以下の①~③の過程がありました。
①看護学に関連した単位を取得する。
②看護学に即した特定のテーマ(課題)について「学修成果」と呼ばれるレポート(A4判 10~17ページ)を作成し、大学改革支援・学位授与機構に申請する。
③テーマに関連した小論文の試験に合格する。
わたしにとって、ちょっと気の遠くなる過程でしたので、一度はあきらめようかなと思っていたのですが、二つの大学で自信がついたのもあって、三つ目の大学に編入しました。
三つ目の大学を選んだ理由は、看護学の単位を取得するのに一番授業料が安かったからです。
一つ目と二つ目の大学は課題レポートも単位認定試験も全てオンラインでした。
三つ目の大学の当時はオンラインを活用することなく、課題レポートも郵送で、単位認定試験も学校に行っての受験でした。
生徒の年齢層も高かったですが、それはそれで幅広く交友関係が増えて面白かったです。
無事に申請に必要な単位を取得したあとは学修成果のレポートを作成しました。
わたしは看護学と心理学をミックスさせて「看護師が実施する認知行動療法」をテーマにしました。A4判で17ページのレポートです。
過去にこんなに長い文章を作成したことがなかったのでとても苦労しましたが、自分の関心のあるテーマでしたので最後までやり遂げることができました。
小論文試験も合格して、学士(看護学)を取得したときは喜びも大きかったです。
通信制大学での学び
わたしが学士(看護学)を取得するのに、授業料や単位取得やレポート作成など、たくさんの費用と時間がかかりましたが、仕事の給与や待遇が良くなったわけではありません。あきらかに自己満足のみです。
ですが、大学で学ぶことができて良かったと思います。
わたしが通信制高校を卒業した当時は、わたしの中に「大学に行く」という選択肢は全くありませんでした。
専門学校を選択したのもありましたが、そもそも大学というものに関心がありませんでした。大学で 社会で役立つための知識や経験が得れるとは思わなかったからです。
だけど、それはわたしの誤解でした。
大学では、専門職として必要な知識をたくさん学ぶことができました。
年齢の垣根を超えた 共に学ぶ仲間と語り合うことで、なんとなく人間性も向上したような気もします。
機会があれば、また大学で学びたいです。
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