中高年だって結婚式挙げてもいいと思う

フリーランスウエデイングプランナーの森りかです。

今日は、ウエデイング業界に長年いる私の経験談を一つ。これは他のブログなどでもアップしています。ここでも改めてアップしたいと思っております。

結婚式って若い人の特権なの？

まず、これが始めに来るのですが、

皆さん、どう感じますか？結婚することって若い人だけではないと思います。私の周りにも再婚したり、初婚だっています。はい、もちろん年齢が高いと言ってもいいのかな。私には同世代だから、あまり感じなくなりましたが、いいことだなと素直に感じています。世間一般的には、若い人が結婚式を挙げるものだと思っている人が大半なのかもしれません。

私が経験した結婚式の話

すでに数年前の話ですので、多少忘れていることもありますが、当初担当した際、非常に衝撃でした。その時は司会者としての立場です。

理由は簡単です。まさか、年齢が高い方が結婚式を挙げるだなんて、予想だにしていなかったからです。ということは、私自身も考え方が固まっていたのでしょうね。結婚式って若い人が挙げるものだと。いや、驚きました。まさかまさかでした。

新郎の年齢、その当時は66歳。奥様とは死別です。今回で結婚2回目です。

新婦の年齢　その当時は69歳　もうすぐ70歳になる方でした。結婚はこれで３回目。今まで死別だと伺いました。

これだけ聞いた時に、ええ？本当にいいの？この言葉しか出ませんでした。そして担当者（プランナー）曰く。とにかくお二人との連絡が取れない。何をしたいのか、どうしたいのか難航していると。

ここの会場の担当者は、私と当日担当するキャプテンといつも連携して話し合いをしてくれる方でした。そのために、仕事丸投げをしたり、知らないふりして勝手に進めたりすることが全くない人でした。だから携わるメンバーにとっては、みんなで作っているという意識が非常に高かったと思っています。余計に、私は心配してしまいました。しかし、現状何も進んでいなくてもやるしかない。それだけでした。

その後少しずつ連絡が取れるようになっていったのですが、年齢のせいかタイミングを合わせてくれるという感覚は全くなかったとのこと。折り返しの電話をお願いしても中々来なくて、担当者が休みの時に伝言だったり、お二人の都合で突然来館したり、やはり、担当者が会えない状況は多かったようです。

それでも、会場のみんなが対応して、なんとか形になっていきました。

私との打ち合わせは当日までありませんでした

さて、当の私はというと、どうであったか。

私は当日までお二人とお話をする機会がありませんでした。理由は上記の通りにプラス問題ないでしょう。完全にお任せしますだったそうです。

しかし、それでは当日の司会は成り立ちません。お尋ねしたことがたくさんありましたので、少し早めにお二人にお越しいただきました。

そこで初めてご対面となりました。新郎新婦には早めにお越しいだきました。そして簡単に打ち合わせを行いました。

そこでとっても感動の一言があったのです。

お二人のプロフィールはご紹介して欲しいとのご要望でしたので、プロフィールを伺っていました。私が何を質問したのか。思い出せないのですが

新郎の一言です。

「私が彼女を守らないと、その想いだけなのです」

その時の私はただただ感動だけでした。

始まる前に起こったトラブル

そして披露宴は始まりました。

実に普通であったのが不思議なくらいの、始まりです。

今回の披露宴を開催するにあたり、招待状を送った時点で様々なトラブルが発生していました。

まず、招待客からの問合せ　これ真面目に行うつもりなのか。嘘ではないか。一体誰が焚きつけたのか。そもそも本気で行うつもりなのか・・・。

確かにそうでしょう。年齢やお二人の背景から言っても、真剣い行うかどうかすら不確かでしたから。

そして、もっと大変だったのは、お二人のお子さんたちから、親族からの問い合わせでした。

新郎は土地持ちでお金もあったとのことだったのですが、そのお金を持っていかれると心配した親族の叫び（新郎側）相当会場担当者に詰め寄ったとの話でした。即刻やめさせてくれと、そうでなければ当日乗り込むから

これはある意味脅迫めいたこと。その対応に当日は支配人が受付を守る体制で、お開きまで立っていました。

実際、会場サイドは逼迫するほどの対応に追われていて、打ち合わせどころではない状況だったそうです。

しかし、当の本人たちはというと・・・・。

全く意に介さない態度でした。これには本当に驚きです。

そして披露宴は無事お開きに

さて、披露宴自体は、気が抜けるくらい無事にお開きになりました。ゲストも心からお祝いをしてくれて、何のトラブルもなし。楽しく極々一般的な披露宴でした。

新郎は病気を患っていて、杖を日頃使っていたそうですが、

「今日は何が何でも杖なしで歩きますから」と私におっしゃっていたのですが、本当に入場からお開きの退場まで杖なしでした。そのお姿は堂々としていて、ステキでしたね。

そして新婦はお色直しをしました。と言っても大袈裟にアナウンスをしたのではありませんでした。訪問着から動きやすいパンツスタイル、赤い華やかなニットのアンサンブル。披露宴ではニットはご法度ですが、ここはもう自由に。でも、新婦がかわいい笑顔で私に向けてくれた言葉、「ね、どうですか？こんな感じで、少し派手かしら？」はにかむ笑顔がとってもかわいくて、今でも忘れないのです。

私たちスタッフ側の感想ではありますが、

年齢って関係ない　幸せになるってこんな形。そのお手伝いができただけでも私たちは嬉しいと、心から思いました。

幾つになっても結婚式はあっていいのだと思う。そして堂々とお二人の門出をお祝いしたい。

恥ずかしいだなんて思わせない、そういう形を本当に作りたいと思ったのです。