「公園」 -言霊少女怪文書01-

夏が終わると、今年も私はあの頃を思い出す。
あの日の夜、ぼくは公園へ行けなかった。天才になり切れなかった。あんなに""に天才と言ってもらったのに。""と互いに天才だと笑いあっていながらも、どこか本気でない自分がいたのだ。いや、本気だった。あの時ぼくが感じていたものは、確かにそこにあった。厳然としてそこに。けれども、あの日だけは。

台風なんて関係なかった。体調なんて。疲れていたなんて言い訳にもならない。どうして。

後悔だけが残っている。

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