「ある平日の一日」 -言霊少女怪文書04-

この書店には人外もやってくる。いや、むしろ常連には人外が多かったりするが、今日のお客さんはまた珍しい。紫の花飾りをつけた彼女は姿こそ人間であるが、半分機械でできていたのだから。
彼女は初めてここを訪れる人外特有の、少し戸惑った様子で私に声をかけてきた。
「私は識別コード 0607-lu-Ck-Ⅱ型ヒューマノイド、通称『』と申します。失礼ですが、ここは何処なのでしょうか。一般に書店と言われる場所だと認識しておりますが、現在地点が不明となっております」
「いらっしゃいませ。うたたね書店へようこそ。その質問に答えるには少し時間がかかりますから、紅茶を飲みながらゆるっとまるっとお話ししませんか」
さてさて。彼女はどういった背景を持つ人物なのだろうか。ヒューマノイドと言えば彼女は武装していなかったが偵察型なのだろうか。それとも・・・閑話休題(いけないいけない)、まずはお茶を淹れてしまわなくては。

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