人生のギアチェンジ

人生とは昨日と今日、今日と明日の積み重ね。
昨日の私がいるから今日の私がいる。

生まれてこなければよかったと悩んでいた10代。
誰かに愛されたい、必要とされたいともがいていた20代。
自立しなければと必死だった30代。
ほんの少しの諦めと、自分を愛そうと誓った40代。
そして私はどんな50代を過ごすのであろう？

今まで「足し算」の人生だった。
稼げるようになりたかった。
仕事が出来る人間になりたかった。
仕事の枝葉を増やし、そこに実がなるのが何よりも喜びだった。
人との出会いも「足し算」だった。
知り合いが増え、飲み会にも誘われるのが好きだった。
顔が広いのが自慢だった。
そして誰かに愛されたいと願った。
ある意味、貪欲。
なんでもかんでも手に入れようとしていた。

でも、愛されたいなんて他人任せの考え方。
自分の人生の主役は自分なんだもの。
愛されようが、なかろうが、私がその人を愛せばいい。

これからは「引き算」の人生を送りたいな。
「足るを知る」とでも言うのかな。
アレも欲しい、コレも欲しいではなくてね。
少しだけ人生の速度を落としたい。
トップギアで一直線に走っていては気付かないこともあるし、エンジンもタイヤも傷めてしまう。
ギアをひとつ落とし、カーブを曲がってゆっくりと周りの景色を眺めてみたい。
きっと、今まで気が付かなかったものが見えるはず。

この世に生まれたこと。
それだけで幸せ。

私と出会ってくれたすべてのヒトに感謝をこめて。

2019年8月14日　斉藤りか