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「許容」という結末-Yet To Comeと花様年華-

皆さん、Yet To Come、見ましたか、見ましたね(?)


もうとにかく新規なりに「エモい」の一言で、ありがとう、ごめんなさい、お疲れ様、が第一印象だったのですが、
フォロワーさん等の解釈を見ているうちに、ああ、これは花様年華のこれ以上ない落としどころなのだな、という思いになったので、忘れないうちにザクっとでも書き留めておくことにしました、、。日常に忙殺されて忘れてしまう感情や思考が最近多いので、、

いきなり結論めいていて申し訳ないのですが、Yet To Comeが表していること、それは「ゼロサムからの脱却」「変わること、変わらないことへの許容」なのではないかと思います。

そもそも(?)、花様年華の世界は、(フィクションだから当たり前でしょうと言われればそれまでですが)すごく極端な世界です。ソクジンは「一緒なら笑えた」という思いに囚われている(からタイムリープを始める)し、だれか一人でも不幸になると初めからやり直し。WINGSのモチーフであるデミアンが二元論的な世界を描いているからということもあるかもしれないけど、幸せ(海)か不幸(砂漠)か、の2択なんですよね。
しかし、現実問題、100%幸せ!とか100%不幸!みたいなことってそうそうないじゃないですか。花様年華の世界ほどの極端な不幸ではなかったとしても、今この瞬間楽しいけど同時に心のどこかで明日の仕事が気になってる、、とかそういうレベルのことは往々にしてあるわけで。

花様年華のストーリーでも、懸命にハッピーエンドをめざしたソクジンは、Euphoriaで7人で海に行くことに成功するけれど、その直後には7人バラバラになってしまう。幸せな瞬間を「継続」させることには失敗してしまいました。

ところで、花様年華のストーリー(あるいはソクジンの願い)には大いなる矛盾があります。それは「7人で楽しかった学生時代に戻りたい」と思いながらも、「ループを終わらせて人生を前に進めていきたい」と願っていること。極端なことを言えば、ループを続けていれば(ソクジンがあんまり6人に出会わないようにしているという事実は一旦置いておきます笑)、ずっと7人でいれるわけじゃないですか(まあ地獄の世界線ではあるが)。でもそれじゃダメで、人間としての本能なのかもしれないけど、ソクジンは同時に「自分の人生を進めること」を強く願っています。これは私がTXT等を通じて悩んできた(?)、「永遠と成長、相性悪すぎ問題」です。

で、Yet To Comeを見て、これらの矛盾を「許容」することがBTSの出した答えなのではないか、、と思ったんですね。

Yet To ComeのMVの舞台(?)は、これまで不幸・苦難の象徴だった砂漠です。でも同時に海の音がする。それは「不幸・苦難の中でも、たとえそれがなくならなくても、幸せを見つけることはできるよね」という意味かな、とおもいました。
また、「長い円を周り結局また同じ場所」といったフレーズや、「僕たちは変わっていない(スーパー意訳)」みたいな歌詞たちからは、「常に進み続けることだけが正解ではない」というメッセージを勝手に受け取りました。同時に、今までもベストだったし、それと同時にベストはこれからやってくる、といった歌詞たちは、「周りから同じところをループしているように見られたとしても、一瞬一瞬が自分のベストだと受け入れていい」という、BTSが発信し続けてきたLove Yourselfのメッセージを感じました(無理やりすぎ?笑)。ソクジンは書き換えられた無数のループを「無駄だった」と感じてきたかもしれないけど、そんなことはなくて、ソクジン自身だけでも「自分にとって意味のある瞬間だった」と評価していいんだよ~~と言いたくなったな。

Euphoriaのような、いわゆる「幸せな瞬間」を永遠続けていくことはたぶん難しいです。花様年華の世界でも、いまぶつかっている壁を乗り越えてまた7人で過ごせるようになったとしても、いつかまた何らかの不幸なり喧嘩なりが待っているのだと思います。
だから、花様年華のハッピーエンドは、「幸せな瞬間・結末で物語を終わらせること」ではなくて、「終わらせないこと」「7人一緒にいられる道を試行錯誤していくこと、関係性を構築しなおし続けること」なんだと、Yet To Comeは提示してくれたような気がします。あえて言えば、ハッピーエンドのかたちは7人一緒にいることだけじゃなくて、それぞれが納得して道を選び続けることしかないんだと思います。たとえそこが海ではなくて、砂漠だとしても(だって世界は厳しいからさ、、)。

ちょっと自分でも何を言っているのか、どう締めたらいいのか分からなくなってきたんですけど笑、花様年華、正直予想外の結末で(勝手にYTCで完結したんだ、、と言ってるだけだけど)、こういう収集のつけかたもあるんだあ、とすごくぼおっとしてしまいました、、。BTS本当にすごいと思った、、
花様年華、めちゃくちゃ感情も時間も持っていかれた大変なコンテンツで、愛憎入り混じったりもしてますが、出会えてよかったな~いろいろ調べたり考えたりする機会をもらえてよかったな~~と改めて思っております、、、ありがとうございました、、、。まあでももうこんなコンテンツはこりごりだな、、、終わりみたいな顔してるけどまたnote書くかもだけど、、、、。



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