実家と疎遠なレズビアンが病気になりました(追記あり)
名古屋で細々生きるレズビアンの大学生こと、「りぃな」です。
周囲へ「自分がレズビアンであること」をカミングアウトしていない(むしろ隠している)、いわゆるクローゼットの私は、今日も色々な社会構造的な壁にぶつかっています。
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私は、同性愛者(レズビアン&ゲイ)が現代の日本社会で出会う大きな社会構造的な困難って、
①職場(同性パートナーをパートナーとして認めてもらえない等)
②住宅(同性パートナーと共同でローン組めない、偏見によりそもそも物件を貸してもらえない等)
③病院(同性パートナーを親族として認めてもらえない等)
の3つがかなり大きいかな、と思っているのですが、
なんと私は若干21歳にして、3つ全ての壁に出会いぶつかり、そして今もぶつかっている最中です。
今回はこの3つのうち、1番命にダイレクトに関わる「③病院」、いわゆる
「同性パートナー、病院に立ち会えない問題」
を体験した(というかまだ体験している)話をまとめます。
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実は、先日ちょっと体調を崩してしまって、最寄りの病院(近所の個人クリニック)へかかりました。
そして、
もう少し悪化したら、大病院(ちょっと離れたところにある大学病院など)へ行って、入院&手術!!!
という状況になりました。
医師からは、
「大病院行って手術を受けるには、同意書へのサインが必要。
でもそれは親族じゃないといけないから、嫌だろうけれど、誰でも良いから親族呼んで来て。」
と説明を受けました。
その病院は、私にとって最寄りの病院で、かかりつけとしてここ最近、風邪を引くたびにお世話になっていたので、私は以前から
「実家や親族とは訳あって疎遠だが、恋人は近くにいる」
と医師に伝えてありました。
そのためその日、医師からは
「親族がどうしても呼びたくないなら、彼氏が同意書にサイン出来るように、彼氏に親族になってもらいな。
彼氏にサインして欲しいなら、今日すぐに役場へ婚姻届出して入院日に間に合わせて」
とも、半分冗談で(でも半分本気で)言われました。
先生、
あのね、
これまで私は必要な情報ではないと思って言ってきてなかったけれどね、
婚姻届出せるものなら今すぐに私だって出したいよ!!!
そして、
婚姻届受理されて、1番信頼している大切な恋人に、同意書へサインして欲しいよ!!!
でもね、
先生、
私の恋人ね、
彼氏じゃなくて彼女なんだよ!!!
***
この時私初めて、
「同性パートナーは結婚出来ないから親族になれないこと」
そして、
「手術というとても辛い状況において、1番信頼している人に側にいてもらえないこと」
の悲しみを体感しました。
悲しいし、
結婚出来ない&親族になれないの超悔しいし、
何より、生きていく上でシンプルにとても不便だと思いました。
遠くの親戚より近くの恋人の方が、こういう重大で辛い場面はそばに居て欲しいし、
何より、私のこと1番わかっているから、色々委任したいに決まってるじゃん!!!
***
この件、今回は投薬ですぐに治り、入院&手術には至らなかったから良かったけれど、再発しちゃったら私はたぶん入院&手術です。
もし再発してしまって入院&手術になったら、同意書へサインしてもらうために疎遠になっている親へ連絡しないといけないのか………
※親は私が同性愛者であることを受け入れられなくて、現在疎遠中
(というか、超要約すると、私はレズビアンがバレて実家から追い出された)
"親族"になれない私のパートナーは、果たして私の命に関わる一大事にどこまで関わることが出来るのだろうか?
都会ならもしかしたら大丈夫かもしれないけれど、田舎で周囲に知り合い多かったらパートナーが名乗り出ること出来る状況なのだろうか?
同意書にサインはダメ?
ICU入れる?
もし万が一手術中に何かあって、私が意思表明出来ない状態になっていたら、私の最期に私のパートナーはちゃんと立ち会えるのかな?
正直、
今はただただ、
病気が再発することよりも、
病気が再発して、パートナーと"親族でない"と突きつけられることの方が怖い
…………とにもかくにも、再発しないように、健康な生活を心がけます。
<追記>
このnoteをとても沢山の方に読んでいただき、色々なアドバイスをいただいたので掲載します。
もし、私と同様に困っている方がいらっしゃれば、参考にしていただけると嬉しいです。
(急に体調崩して「手術!入院!」となると、「どんな対処方法があるのか」を冷静に考える余裕がなくなるんですね………身を以て学びました………💦)
(掲載に問題がありましたらご連絡ください。よろしくお願いいたします)
皆さんからいただいたアドバイス↓
「同性パートナーが同意書にサインできないことに法的な縛りはありませんので病院のソーシャルワーカーさんに相談してみてください。大きい病院ならいると思いますので。
もしまた再発したときのことが不安なのであれば、自分の事についての意思決定をパートナーに一任するということがわかるように意思表示できるものを用意しておくと安心かと思います。
長期的に考えて、不便を解消するためには、パートナーの関係諸々含めて伝えておける「かかりつけ医」を決めておくと良いと思います。
本来異性間であれば普通に通ることが通らなかったことで憤りはあるかと思いますがパートナーシップや同性婚の制度がない現在、まずは目先のご自身の安心のために対処的にできることをやるのが得策かと思います。」
ありがとうございます🙏
異性間と扱いが異なる憤りはありますが、現状ではそれよりも自分のことを優先しないとですよね💦
「手術の同意書については、家族以外の友人知人でも大丈夫ですよ。同意書自体に法的根拠もないようです。そこのお医者さんが話を聞いてくれなければ、病院のケースワーカーに相談するといいかもしれません。」
手術の同意書は身寄りなしはどうする?家族以外ダメか?法的根拠は?
ありがとうございます🙏
同意書問題は、同性カップルだけに限らず、様々な事情で身寄りなしの方に当てはまる問題ですもんね💦
そして、noteを書いてくださった方も!
本当にありがとうございます🙏
今後に備えて、きちんと学んでおくべきですね💦
あと、厚生労働省のサイトを教えてくださった方もいらっしゃいました
厚生労働省がこんな発表をしていたなんて知らなかったです………!
そして、こちらはレズビアンカップルの方がご自身の経験をまとめていらっしゃるブログ
ご自身の経験や具体的な方法など、とても分かりやすくてありがたいです🙏
そして、少し前の2016年になりますが、こんな記事も
「手術同意に同性パートナーも」…報道から考える医療現場の支援策とは
皆さん、本当に様々なアドバイスをくださり、本当にありがとうございました!
(noteやTwitterのお陰でこんなにもアドバイスをたくさんいただけたので、本当にnoteやTwitterをやっていて良かったです💦
優しく教えてくださった皆さん、本当ににありがとうございました🙏)
「私が異性愛者だったらこんなにも困らなかっただろうな」と思い、悲しくなることは正直色々とありますが、
現状は現状だ
と受け止めて、このように様々な対策を取って生き抜いていこうと強く思いました!
生きる!
生き抜く!
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