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子どもの食べ物の好き嫌い①味覚は育てていきましょう

  幼児期にお食事のお悩みの中で一番多く感じるのは偏食や好き嫌いです。
「野菜を全然食べてくれません。」「口からべーと出します。」「やわらかいものしか食べてくれませんが、お口の中の発達は大丈夫でしょうか?」などなど。お母さま方から愛情いっぱいのお悩みの相談を受けます。
実は好きな食べ物、味、食感、嫌いな食べ物、味、食感にたくさんのヒントが隠れています。

今回は好き嫌い「味覚」編です。

 味覚には、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味とありますが、子どもには生まれた時から本能的に苦手な味覚があります。苦みと酸味です。
苦みは毒かも?、酸味には腐ってる?というように本能的に危険を感じ、嫌う傾向があります。
  甘味、塩味、旨味は、たんぱく質を構成するアミノ酸やナトリウムなど生きていくために必要なエネルギー源となる栄養素なので好きな味と感じる傾向があります。 
 本能的な好き嫌いは色々な味を経験することで味覚が成長し、嗜好は変わってきます。 離乳食から幼児食へ移行する時期は初めての味ばかりです。本能的に味を選別して口から出したり、頑ななまでに口を閉ざしてしまうことは当たり前のことなんです。ここから色々な味をお父さんやお母さん、お兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に食卓を囲み安心な味と認識していきます。 

 小学生の頃苦手だった味が中学生や高校生の頃には苦手意識がなくなり、大人になった今では大好きな味に変化していった経験はありませんか? 私達の舌には味蕾細胞という味を感知するセンサーがあります。子どもの頃はこの味蕾細胞が発達し、12歳頃ピークを迎え、30代、40代になるとピークの頃の1/2~1/3なると言われています。このようなことから私達の舌は「味」に対する感じ方が変化することが分かります。そして子どもの舌は私達よりも味を強く感じることができることがわかります。

  好き嫌いが多いな。今日は野菜足りてるかな??と不安になりますが、すぐに改善することは難しいので、今食べられる代わりになるもので栄養をまんべんなく補うことを意識して頂けたらいいと思います。

 例えば淡色野菜の少し苦みのある大根は苦手だけど、白菜は食べる。緑黄色野菜のピーマンは食べないけどトマトや人参は好き。豚肉は食べないけど鶏肉は食べる。お肉は苦手だけど、魚も豆腐も卵も大好きなど。今は、美味しく食べるものを中心に、たまにスープや肉団子や、チャーハンに混ぜたり、小皿にほんの少しだけ盛ってみるなど苦手なものは一口チャレンジにしてみましょう。この時のポイントは、チャレンジです。食べることができたら、思いっきり褒めましょう。食べなくても当たり前!落ち込まないことです。「じゃあママが貰っちゃおう」と明るく食べてしまって下さい。きっと半年、一年経つ頃には、食べられるものが増えてきます。 嫌いだったことを忘れてしまうくらい「味覚」は変化していきます。今食べられるものを大切にして、少しずつ変化する子どもの味覚を楽しんで下さい。

  苦手な野菜の味の克服のポイントは、旬を大切にするこです。夏の野菜は夏が甘くておいしいです。冬の野菜は冬が甘くておいしいです。例えば冬の野菜の大根夏は少し苦みが気になりますが、冬に食べるおでんはあまくてとってもおいしいです。春野菜の玉ねぎも春の新玉ねぎは生で食べたいですね。苦手なものほど旬を大切にして頂きたいです。
 
 味付けの工夫としては酸味や苦みを和らげる調理の工夫です。例えば色々な野菜でスープや味噌汁を作るとき弱火で少し長めに煮込むこと、野菜からたくさんお出しが出て、お汁があまーくなります。お野菜の苦みが和らぎますね。酢の物もついつい大人は酸味をきかせてしまいますが、砂糖と酢を同量にしたり、仕上げにごま油を少し入れることで酸味も和らぎ食べやすくなります。そして、素材の味を楽しめる舌があるので、薄味で調理して下さい。

子どもの舌はとっても敏感でまだまだ未経験の味がたくさんあります。
大切に大切に楽しい食卓で育てて頂きたいと思います。

 思いがあふれて、長くなってしまいました。最後まで読んで頂きありがとうございます。
次は子どもの好き嫌い②食感について書こうと思います


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