思想が強いオタクが己の思想故に悲しくなっただけの話

2021年
ずっと好きだった二人組のボーカルが同人音楽サークルを辞めるらしいという話が聞こえてきた。辞める前に卒業ライブとやらをやるらしいと聞いて流石に行くことにした。

流行り病のせいで声出しはなかったものの、ライブはしっかり開催されて、翌月にはその名義では本当に最後のライブも見に行って、その日はあまり実感がないまま家路についた。本当にこれで終わりなんだなっていうのは後から効いてきて、ちゃんと悲しかった。

それで満足だったかと言われると、そんなことはなく、納得しかねる部分もあった。というのも、卒業ライブでメンバーが新しく7人増えますなどという、己の耳を疑うような話が発表され、今までの路線どうした?とかこれが現代の蠱毒ですか?とかそんな感想が最後まで拭えなかった。

いや、卒業ライブって言っててこれで終わりなんですね、今までありがとう、みたいな雰囲気に浸りたいのにこんな発表するなよっていう話なわけで、タイミングだけで言えばメンバーめっちゃ増えて解釈違いなんで辞めますみたいに見えてしまうわけで。これからはこっちを応援してねって話ですか?無理だが?

(辞める本人は絶対そんな事言わないし、実際違うのかもしれないけど、だったらそう見えないようにする工夫をもっとしてほしかった。運営側にそういうファンの気持ちをわかってないのが透けて見えたのがあまりにも悲しかった。)

とはいえ、好きなボーカルが辞めたならもうそれは死んだも同然なので、サークルのアカウントをブロックして完全に視界から消した。たとえ新しく入ったボーカルが今までの楽曲をカバーしてもそれはカバーであって、本家じゃないから聴きに行く気はなかったし、視界から消すことで自分の中では完全に死んだことに出来た。そういう思考で見切りはついた。

それから数ヶ月後、私が同人音楽に完全に浸かるきっかけになったボーカルが辞めたらしいという話が聞こえてきた。最近、メインボーカルが後から入ってきたよくわからない人になってたし、これも時代の流れかと無常観を感じた。体調が優れないという話もちょくちょく聞いてたし仕方がないかと思った。こちらもボーカルが完全に変わったので、私の中では死んだことにして、視界から消した。あの歌が二度と聴けないのかと思うと少なからず寂しさを感じた。

(こちらは聴かず嫌いですらなくて、最初に書いたボーカルの最後のライブのときに実際に聴いて無理だった。流石に声が違いすぎて、違和感が拭えなかった。)

それからさらに時間が経って、2024年の1月、どうやらそのボーカルがわけもわからず辞めさせられるらしいという話が流れてきた。

こんな形になってしまって悲しい云々という話が書かれてて、正直に言って、被害者面が気に食わなかった。何もやってないのにこんなことになるわけないだろうという至極当たり前の感想が湧いた。新しい何かを始めるらしいと書いてあったのでとりあえず、全部ブロックしておいた。

たぶん、二度と関わることはないし、関わる気も毛頭ないから。

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