民主主義は誰のもの?

「民主主義は、なにをしてあそんでもいい、自由時間のようなものだ」
で始まり、
「民主主義は、あそびのようなものだ。それは、みんなであそぶ、自由のあそびだ。」
で終わるスペインの絵本。
今の日本の民主主義はどんなもの?
ちゃんと自分で考えてみよう。
民主主義は誰のもの?

この本の原作は40年あまり前、スペインが民主主義への第一歩を踏み出そうとしていた時代、これからどんな社会をつくっていきたいかを子どもたちに考えてもらおうとつくられた、「あしたのための本シリーズ」のうちの1冊。

最初に訳者の「はじめに」とおわりにコラムが一つついていて、それが日本のこどもたちに向けたメッセージになっている。もちろん、子どもたちだけではなくて、今この世の中をつくっている大人たちにも向けた言葉だ。

見返しにはこの本に参加したいと申し出た画家の友人たちの顔写真がびっしり並んでいる。古い写真も新しい写真も、あかちゃんもカップルも友達みんなで写っている写真もある。名前のところにはエミリオおばあちゃんやメルセデスおばあちゃん、パスクアラおばあちゃんなどの名前もあって、なんだかほっこりする。

スペインでは1975年までフランコ独裁政権が続いていたけれど、75年にフランコ将軍病没後、国王に即位したフアン・カルロス1世が政治の民主化を推し進め、1978年に新憲法が承認されて立憲君主制国家になっている。

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