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【ヴァンガード】レザエル解説【フェスコレ2024環境】

現環境の「ディヴァインシスター ふぃなんしぇ」を使ったレザエルについて所感です。

「なんとなく回せるが、イマイチ勝ち方や勝ってるときと負けてるときの違いが分からん」と思っていたので言語化したものです。

これが正解ということはないので参考に読んでいただけると幸いです。


勝ち方(基本方針)


  1. ロングゲームを目指して相手のリソースが切れるのを待つ

  2. アグロして序盤を崩し相手より先にリーサルを目指す


ふたつの勝ちプランをスイッチして戦うデッキです。

スイッチの指標としては相手がヴァルガやマイヤーなど瞬間火力の高いデッキの対面はロングゲーム
超越やG4デッキ、エバ、リアノーンといったターンが伸びるほど有利なデッキの対面はアグロプランを検討します。

一見受け性能の高いように見える「奇跡の運命者 レザエル」ですが、運命対戦環境のレザエルは「世界を拓く始まりの叡智」「テイスファルト」を使うことで2ターン目に6面展開しつつ、短いスパンで勝利を目指すアグロデッキでした。

運命対戦_レザエルテンプレ

強力な序盤の形成に安定感があり、特にパーツを抱えておきたいデッキやG3から守りが強固になるデッキには天敵のようなデッキ。
反面、G3からの出力は並であまり高いとは言えず、同じ弾に登場した「ヴァルガ・ドラグレス」のような高火力なデッキに一歩劣る立ち位置だったと思います。

無幻双刻環境では「ニルベリス」等でかなり強力な強化が入ったものの、依然として出力面に課題があり、「序盤をいかに優位に進めるか」がレザエルの基本方針であることに変わりありませんでした。

その転機は次弾で訪れます。
フェスティバルブースター2024で何気なく配られた汎用セットオーダー「聖堂満たす慈愛の聖歌」の登場です。

聖堂満たす慈愛の聖歌

一見「?」と思うテキストだと思います。
このカードの使用法としては盤面にある完全ガードやトリガーをガード値に変換できるという点にあります。

序盤から面形成で手札からトリガーを出していける、デッキから山に出すテキストでノーマルユニットを外して出したトリガーをガード値として使える等、使い方はいろいろあります。

……が、さっさと結論を言ってしまうと、このカードの強みはデッキや墓地から盤面に出した完全ガードやトリガーをガード値に変換できることに尽きます。

墓地やデッキからトリガーや完ガにアクセスできるレザエルと「聖歌」の相性が良く、具体的には毎ターン墓地蘇生で完ガを一回使えると思っていいです。

もともとリソース面は豊富なレザエルでしたが、これにより長いゲームができるようになりました。
特に運命者は「ディバインスキル」による瞬間出力が高いものの、それ以降は出力が落ちる傾向にあり、運命者対面でのレザエルはかなり強固です。

フェスコレ_レザエルサンプル

まだ発展途上ではありますが、「ブラグドマイヤー」対策を兼ねた「アモルタ」入りの構築も登場し、デッキに完ガ8枚入り、などという意味わからん構築になりつつあります。


弱み

  • デッキの出力が低いこと

  • ゲームの時間が長すぎること

この二点に尽きます。(正確にはデッキの出力が低いのでゲームの時間が長いとも言え、この弱みはふたつでひとつと言える、と考えています)

場合によってはライブラリアウトも狙えるため前者は気にしなくて良い点ではありますが。

ゲームの時間は勝敗に関わるため改善しないといけない点になります。これを改善するためにはやはり受けつつ勝たなければならず、つまるところデッキの出力を上げる必要があります。


構築・採用カード解説

レザエル_サンプル

カード解説については今後レシピが変わる可能性があるので採用・不採用に関係なく注目カードを取り上げて解説します。
解説順はグレード順ではなく採用優先度の高い順とします。


せるがおん

せるがおん

無料なので4枚です。

正確には相手より盤面が多いという条件がつくものの、レザエルは比較的盤面が並びやすいため条件は達成しやすい。

条件達成時は単純一枚引くマリガンより質の高いマリガンができるうえに火力もあがる。

レザエルでスペコする対象として相性が良く、アグロプランを取る場合に有効。序盤から盤面に並べていきたいカードのため4枚。


奇跡の運命者 レザエル

奇跡の運命者 レザエル

以後レザエルと記載。

レザエルに限らずデッキの弱みが「パワーが低いこと」である場合、それを補う一番の方法はペルソナライドになります。

ペルソナライドを必ずしたいので3枚固定。


迅弓の騎士 ニルベリス

迅弓の騎士 ニルベリス

以後ニルベリスと記載。

レザエルデッキの課題である「デッキのパワーの低さ」と「リソースの確保」という二点を補ってくれるカード。

アタック時に盤面から消えるためレザエルの効果との相性も◎。

EBのためコストも競合せず、むしろソウルを溜めてくれる有能ぶり。

おまけにアタック時に山上確認できるため、アタックトリガー及びダメージトリガーをコントロールできる有能っぷり。

使いまわせるため枚数は固定ではないものの、序盤から使えるうえに3ターン目から1枚は欲しいカードであるため、よほど優先するカードがなければ4枚でいいと思う。


優麗の騎士 ノーヴィア

優麗の騎士 ノーヴィア

以後ノーヴィアと記載。

ニルベリス同様リソースと打点を補ってくれるカード。

「エーリアル・セージ」と併せて使うことで手札のマリガンが可能。

アタック時SBのため、ニルベリス→ノーヴィア→レザエルの順に殴ることでニルベリスを使いまわすことができる。

CBが競合してしまう場合は採用枚数に調整が必要ですが、打点とリソース源になれるカードが現状ノーヴィアとニルベリス、テイスファルトしかおらず、他に優先するカードがないため4枚。

ディヴァインシスター ふぃなんしぇ/聖堂満たす慈愛の聖歌

ディヴァインシスター ふぃなんしぇ

以後ふぃなんしぇと記載。

聖堂満たす慈愛の聖歌

以後セットオーダーと記載。

デッキコンセプトのため採用。
ぶっちゃけセットオーダーを一枚置くために何枚も採用してる。二枚置いてもうまくガード値に変換できない。

セットオーダーはダメージケアのため2枚採用。

ふぃなんしぇは1枚~3枚で調整枠だが、序盤でセットオーダーorふぃなんしぇを一枚引きたい点。二枚目以降引いてもデッキからセットオーダーを抜くことができ、ガード値として使える点で三枚採用。
デッキが固まってきてアグロプランに寄せるなら2枚になるかも。

黄宝獣 トールパーズ

黄宝獣 トールパーズ

以後トールパーズと記載。

テキストが上下どちらも強力。単純にノーコストで5ルックして一面増える、20kのガード値と思えばいい。(国家格差)

セットオーダーと相性がとても良く、コールした後でガード値として使える。

コストの関係から採用枚数は1~2枚で、できるならライドラインをSBした後に使用したいため、コールするタイミングとしては中~後半になる。

現状は一枚採用としてるが調整で二枚になるかも。


エーリアル・セージ

エーリアル・セージ

以後セージと記載。

何度も記載している通りレザエルの弱みはデッキの火力が低い点であるため、火力を補うブーストユニットとして採用。

ノーヴィアと合わせてマリガンが可能な他、点止めに対する耐性もある。

特別セージである必要性はないと考えているが、セージ以上にデッキと相性がいい候補がないためセージを採用している。

好みで2~4枚だがトールパーズに一枠譲って3枚にしている。

ギガンテック・マッシャー

ギガンテック・マッシャー

以後マッシャーと記載。

アグロプランで5パンを目指す時に単騎で最大火力出せるカード。

ほとんどのシーンでレザエルのスペコはG2を優先して出すため優先度は低いと考えている。

アグロプランに寄せるなら2枚~になるかもしれないが、現状はダメージ5で5パンするときに使えればよく、1枚採用。


時の運命者 リィエル゠アモルタ

時の運命者 リィエル゠アモルタ

以後アモルタと記載。

ブラグドマイヤー対策の完ガ。

正直完ガ4枚で足りてる感があるのでマイヤー対策が半分を占めている。

セットオーダーでバインドしたトリガー類をデッキに戻せるので、山をシャッフルする算段があればトリガーを戻して圧縮に貢献ができる。

とはいえマイヤー以外の対面で使用するにはバインドゾーンを溜めるのに時間がかかるので採用枚数は控えめになる。調整で0~4枚で、現在2枚採用。


通貫の騎士 キャドワラ

通貫の騎士 キャドワラ

以後キャドワラと記載。

条件付きでリソースに変換可能。

ノーヴィアやニルベリスと比べ打点が低い点で評価が落ちるが、2ターン目から使えるので後手で強い。

自由枠ではあるが、ふぃなんしぇやニルベリス、Pライド用のレザエルにアクセスでき、競合しやすいCBと違いSBでリソースに変換できる。

また盤面から消えるのがレザエルと相性が良い。

個人的にはテイスファルトが使えればキャドワラとさよならできると思っているが、枠の都合でこちらを2枚採用。


陣頭の騎士 テイスファルト

陣頭の騎士 テイスファルト

以後テイスファルトと記載。

リソースと打点。コストがSB1なうえに10kバフの条件なしと他カードと比べても破格な性能。

運用する場合は「世界を拓く始まりの叡智」「戦士の休息」「オブリゲイター・ドラゴン」といったオーダーとセットでの採用となり、リソース確保にはオーダーが必要なため、オーダーを複数採用しないと安定感がない。

採用する場合はテイスファルト+オーダーで7~12枠くらい割かないといけないためこのカードを採用する=構築そのものに直結します。

またノーヴィア、キャドワラと比べるとニルベリスとの相性が悪く、ニルベリスソウルイン→SB→レザエル効果でニルベリススペコができないといったデメリットがなくもないです。(条件達成できるならそれを補うカードパワーがありますが)


世界を拓く始まりの叡智/戦士の休息

世界を拓く始まりの叡智

以後叡智と記載。

戦士の休息

以後休息と記載。

テイスファルトを採用する場合にセットで採用。

特に叡智をプレイすることで序盤のリソースが厚くなる。

休息はテイスファルトと相性が悪いものの、打点を補ってくれるためレザエルのデッキそのものと相性が良い。1枚ドローと5ルックをうまく使い分けたい。


FVについて

候補は「風巻の斥候 ベンテスタ」と「天悠の騎士 トランキリア」の二種。

風巻の斥候 ベンテスタ

風巻の斥候 ベンテスタ

以後ベンテスタと記載。

蘇生対象を完ガ固定するのであればFVはベンテスタでいいと思います。

配置は「エーリアル・セージ」が入る場合は横にせざるを得ません。入らないのであれば先2でアタッカーが欠損してる場合は横。できればV裏置いてレザエルの打点を安定させたい。

叡智テイスファルトが入っていた頃より序盤のリソースが薄いため、手札にG2がない際の先2はアタッカーになりがち。

天悠の騎士 トランキリア

天悠の騎士 トランキリア

以後トランキリアと記載。

基本的にせるがおんにアクセスするカード。もちろんセージや完ガでも出すだけ出し得だがリソースに変換できるせるがおんは代えがきかない。

レザエルでせるがおん蘇生の対面or聖歌不採用の場合に有効。

レザエルはG2の採用枚数が多くなりがちな点から異なるグレード3枚条件を達成できない場合があり、条件失敗時に裏目になる

配置条件はベンテスタと同じ。

トリガーについて

☆8癒4超1は固定。

引と前で択。

  • 前は打点が低いレザエルの火力をひとつ上げてくれる。またセットオーダーと相性がいい

  • 引はニルベリスを使うことで受けトリガーで強く使える

調整段階では無難な引を使っていますが、好みで変えていいと思います。


戦略解説

序盤の動き(マリガン・1、2ターン目)


必要なカード:
ニルベリス>せるがおん>ノーヴィア>レザエル>ふぃなんしぇ

マリガンにおいてこれらのカードはキープします。枚数は一枚あればOKです。

特にニルベリス、せるがおんは3ターン目に引けているかどうかで中盤の手札枚数に繋がるため、この2枚を確保することに意識を割いていいと思う。

極論ノーヴィア、トールパーズ、キャドワラはニルベリス、せるがおんを回収するカードだと思っていい。

ふぃなんしぇは引けていれば強いがレザエルを絡めたリソースには直結せず、中盤以降に引いても問題ない点。そもそもニルベリス、せるがおんが引けていればガード値は足りている点で優先度は高くないと考えています。
2ターン目にプレイするバリューが高く、刺さるデッキにはかなり強力なためマリガンで戻すカードではありません。(戻すくらいなら採用するべきではない)

2ターン目から動きに分岐がありますが理想を言えば3パンです。

  • アグロプランでいくのか

  • ロングゲームでいくのか

相手のライドラインからプランを固めていきます。

2ターン目に3パンをするのが理想ですが、条件が達成できないようならノーヴィアやキャドワラはプレイするべきではない。

あくまでもノーヴィア、キャドワラの仕事は必要なカードを回収が優先されます。

また、あえて言うまでもありませんがアゼンシオルでなにをスペコするか考えながら手札コストやカードをプレイしていきます。

ダメージの受け方について。

基本的にはレザエルで使うCBを確保しつつ1~2点受けというのが理想です。

レザエル効果でスペコするトリガーがセットオーダーで15kガードに変換できるのは嬉しい。

相手の殴り方、アタックトリガー、ダメージトリガー、自分の手札の良し悪しでコントロールできないところはあるものの、レザエルでなにをスペコするのか考えつつ、最小ダメージで受けていきます。


中盤の動き(3,4ターン目)

ディバインスキルや超越、Pライドで互いに出力が上がります。

ニルベリスをうまくリソースに変換しながら、最大打点を出していきます。

カードの揃い方で分岐があり、アドリブで考えるのは時間を使うため、自分の場合はテンプレを用意しています。


例:墓地にニルベリス、手札にノーヴィアorキャドワラがある場合

  1. レザエルライドでニルベリスコール(後列がベンテスタしかいない場合は後列空いてる方にコール)

  2. ベンテスタ前にノーヴィアコール

  3. ニルベリス単騎でアタック→ニルベリス効果起動

  4. ノーヴィアブーストでアタック→ノーヴィア効果起動でニルベリス落とし

  5. レザエルでアタック→レザエル効果起動でニルベリス&トリガースペコ

  6. ニルベリスアタック→ニルベリス効果起動


ダメージ3ならスペコにせるがおんがつく、セットオーダーがあるなら完ガ優先など、頭の中で固めておくと便利です。

またニルベリスはダメージトリガーをセットできることも大きく、守りを固めて相手ターンに備えましょう。

このあたりからリーサルが固まってくるのでPライド用のレザエルを確保しておきたいところ。

せるがおん、ニルベリスが絡んでいないと手札が伸びていないため、完ガで☆を避けていきたいです。

終盤の動き(5ターン目~)

基本的には必要なパーツも揃いPライドを重ねながら戦っていきます。

手札とリーサルを見据えながらレザエル効果でスペコするユニットをニルベリス+完ガ、せるがおん、5パンから選択します。

評価

リアガード退却のあるシラヌイ、ヴェルストラが増えてきているため少し評価が落ちます。

シラヌイ対面に対しては2ターン目で殴り合えるので先乗りを強要できるのは良いです。ただロングゲームになるとデッキ切れを待つ形になるためアグロプランを強要され択が減る点。ふぃなんしぇがあまり機能しない点で不利よりだとは思ってます。またLOプランに移行する場合時間との勝負にもなってきます。

ヴェルストラに対してもふぃなんしぇが機能しないため、ニルベリスせるがおんを早く引けるかどうかでゲームが変わります。ヴェルストラ側の動きに再現性が高く、そこまで有利不利はないものの試合数を重ねると4:6でレザエル不利くらいに傾く印象です。

他デッキと比べてマイヤー、ゾルガなどはふぃなんしぇが機能すればかなり戦える対面にはなりますが、どちらのアーキタイプもRを指定除去できる「クリンスイープ・ドラゴン」「逆流する冥府」があるため、特にセットオーダー完ガが勝敗に直結するマイヤー対面は警戒が必要です。

指定R除去がない対面に対してはめっぽう強く、どの対面に対しても有利をつけてしまっていいと思っています。

総合評価としてTier1レベルのスペックはあると思います。

環境デッキとの相性が悪く、またロングゲームをすることからTOのリスクが高いので大会では握り辛いデッキだと考えています。


おわりに

WGPに向けて調整したものの、「R退却持ちのデッキに対してもまあ戦えるけど、それならレザエルじゃなくてよくね?」という考えが捨てきれず供養。

レザエルの特色であるせるがおんやニルベリス、キャドワラからのリソース変換が気持ちよく、R退却のないデッキに対しては硬さに安定感があります。

個人的にはもっとリソースに変換できて火力のでるユニットが増え、ふぃなんしぇを抜いて前に寄せたような構築が好きです。


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