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衝撃発言

ぐりお(次男、生後3ヶ月)が、母乳を一生懸命飲んでいる横での、夫と、どんぐり(長男、もうすぐ4歳)の会話。

どんぐり「赤ちゃん、おっぱい飲んでるね」
夫「そうだね。どんぐりも赤ちゃんのとき、飲んでたんだよ、覚えてる?」
ど「うん」
夫「かあちゃんのおっぱい、どんな味だった?」
ど「おいしくなかったよ」

夫・私「え!!」

ど「おいしくなかった」

夫「ミルクは?」
ど「おいしかった!あと、おくすりも、おいしかった!」
夫「おっぱいは?」
ど「おいしくなかったー!」

私「ぐりお、いま、おっぱい飲んでるけど…」
ど「おいしくないんじゃない?」

ショックすぎません?

あ、いえ、あのですね。
文字にしてしまうと伝わりきらない、その場の雰囲気というものがあると思うので補足します。

どんぐりの「おいしくなかったよ」の言い方があまりにもアッケラカンとしていて、ショックなことを言われたはずなのに、私も夫も大爆笑でした。笑いすぎて涙が出るほどに。

どんぐりの口から「おいしくない」という言葉を聞いたこと自体が初めてだったかも知れません。
今のところ、食べ物の好き嫌いもなく、出せば何でも飲むし食べます。
「おいしい!」は毎日聞くけれど、「おいしくなかった」なんて、どんぐりでも言うことあるんだ!
しかもそれが、よりによって母乳!!

ああ、なんてアホらしいんだろう。

母乳がなかなか出なくて、マッサージしてみたり、あたためてみたり、水分をたくさん摂ってみたり、抱き方を工夫してみたり。
保健師さんや助産師さんに相談して、アドバイスをもらっても、なぜか自分へのダメ出しに聞こえて落ち込むばかりだった日々。

眠くても、痛くても、一生懸命吸わせて、それでも5cc程度しか出ていなくて。
自分には母性が足りないのかな、なんて、情けなくて泣いたこともありました。

「1回5ccでも、日に8回授乳すれば40ccだよ。少しでも出るなら諦めないで頑張ったほうがいいよ。」と保健所で励まされましたが、それはそれはストレスで、プレッシャーでした。

ミルクはぐびぐび飲むのに、おっぱいは咥えても泣いたり怒ったり引っ張ったり。
生後8ヶ月くらいのときには一切咥えてもくれなくなり、ミルクと離乳食のみに。

今思えば、もっと早く母乳を諦めたらラクだったのに、と思います。
母乳育児のメリットはたくさん聞いたけれど、好きで少ないわけじゃないんだから、そこまで自分を追い詰めなくても良かったのではないかと。

ミルクは飲んでくれるわけだから、自分以外の人にもお世話を頼みやすいし、外出もしやすい。

そんな風に、たくさん悩んで頑張って、なんとかして母乳を飲ませようとしていたあの日々が、まさかこれほど時間が経って、爆笑に変わるとは思いませんでした。

おいしくなかったのか、そっかぁ!
そりゃ、飲まないわな!
ごめんな!
無理してたの、かあちゃんだけじゃなかったのな!

親の心子知らず、だけではなく、子の心も親はわからないものです。

それはまあ、親子だけではなく。
自分以外の人の心を、知った気になって、決めつけや思い込みで、お互いのしんどさを増やしていないかどうか、気をつけたほうが良さそうです。

ちなみに、今回は。
ぐりおの産後は、入院していたときから大体20~30ccくらい出ていました。
退院後もしばらくベビースケールをレンタルして計測していましたが、多ければ60cc近く。
それでも少ないですが。

ミルクを飲む量もまちまちなので、どんぐりのときとはまた違う難しさがありますが、おそらく…
おいしくない、ってことはなさそう、だと、思いたいです…。

夜はミルクを足さなくても、母乳だけでクタッとと寝てくれることも多いし、昼間も、ミルクの後私の服をがりがり引っ掻くので、再度母乳を与えると安心して寝てしまう、ということもよくあります。
そんなとき、可愛い、愛しい、と自然に思えている自分もいます。

授乳に、ストレスやプレッシャーといった感情が、まったく絡みついて来ないのが、前回との大きな違いです。
どんぐりには、私のそんな焦りも味わわせてしまっていたのかも知れません。

どんぐりは今でも、私が急いだり焦ったりするととても嫌がります。
いつでも、のんびりゆったり、あたたかく接してあげられたら、どんなに良いでしょう。

自分の母乳が美味しくなるように。
山に放牧された自由な牛たちのように、好きなときに好きなものを食べて、好きなだけ休んで、穏やかに…させておくれよ。まったくもう!

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