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今年のベスト映画

「ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け」

星の数などの評価では表せないほどすばらしく、間違いなく今年一番感動した映画だった。

60年代、ヒッピー文化や公民権運動が盛んだった時代に、障がい者向けのサマーキャンプが開催される。さまざまなハンディキャップを持つ参加者同士の交流が、その後70年代の障がい者の人権運動へと繋がっていく。

驚異的な女性、ジュディス•ヒューマン(のちにオバマ政権下で国務省国際障害権利特別顧問を務める)率いる障がい者の集団は、デモ活動や連邦ビルの占拠運動などを行い、障がいに基づく排除・差別を禁止するリハビリテーション法第504条の施行への署名を達成させる。

ドキュメンタリー全体を通して、二つのハンディキャップについて考えさせられた。一つは身体的な不自由さ。もう一つは、狭い考え方に縛られ、固定概念から抜け出せない、『発想のハンディキャップ』。

さまざまな身体的な個性、見た目やバックグラウンド、セクシュアリティーなど、これからの時代は多様な人々が暮らしやすい社会になっていくことを祈るばかり。大きなテーマとして言えることは、人間の『見た目』は、魂の『入れ物』であること。日本では多様性への取り組みの『ルール』を作ることばかりに気を取られ、それで問題が解決したような錯覚を与えることが多いと感じる。誰にも奪えない芯の個性、創造性や情熱を、形式上だけではなく、心で理解していくために、このドキュメンタリーような物語をより多く吸収していきたいと思った。

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