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グリーンウッドワークって写真みたいだった

「グリーン ウッド ワーク」とやらに初挑戦。

これがなんとも心洗われる時間で。
終わってからも、頭の中がグリーンウッドワークのことでいっぱい。
この言語化しがたい魅力はなんなんだ。
感覚的にすごく「豊か」だったんだけど、
なにが豊かだったのか。
どうしてこうも惹かれてしまったのか。

精一杯の力で言語化してみたいという
衝動に駆られてNOTEを開く。

講師は木工作家であり、
天然食材ハンターの水上淳平くん。
郡上の高鷲町という最北のエリアで活動する。
森や自然と密接した暮らしをしているからか、
とてもおおらかで、
優しい、パワースポットみたいな
存在自体が癒しのような人だった。

これは完全に大人向けのアクティビティ。
(実際は小学高学年くらいからできるみたい)
今回は超初心者向けのバターナイフづくりで、
1時間程度で大枠が完成する。
自宅に帰って、2~3日乾かして、
サンドペーパーをかけて、
オイルを馴染ませて、
深みを出していくらしい。

昨日の様子を書く前に、
まずは簡単にグリーンウッドワークとは、
定義された言葉での紹介を。

「グリーンウッドは『生木』を意味します。
『生木』とは、森から伐採したばかりの乾燥していない木のことです。
その木を伝統的な手耕具を使い(大型機械や電動工具は使いません)割ったり、削ったりしながら小道具や家具をつくる、ものづくりのことを「グリーンウッドワーク」といいます。

グリーンウッドワーク協会から引用

欧米で発祥した木工の技法だそう。
森と人の暮らしが結びついていた時代には、
木を切ったら、
その場で乾燥する前に加工するということが
自然だったそう。

産業革命以降、機械化が進み、
巨大な木を切ったら、工場まで運び、
機械で一斉に加工するという流れに代わっていった。

逆にいうと、グリーンウッドワークは、
すぐ近くに「木」が生えているところでしか体験することは出来ない。

輸送している間に乾燥してしまうから、
木が生きているうちに触れられる(生木:ナマキと呼ぶ)貴重な機会ということになる。
そんな伐採したての「木」を使って、
日常で使う道具をつくっていく。

黙々と手元に集中しながら
キレッキレのナイフで削っていくのだが、
まぁまぁ危険なので、
あまり他ごとは考えられない。
だけど一緒にいる人たちと
たわいもない話で盛り上がる。
「初めての人とでも、目を合わせて離さないから、本音が言える!焚き火みたいだ!」なんて比喩する人もいた。

ひとつとして同じ形をしていない木の枝を
どう料理しようか。
節を残そうか。ねじれを活かそうか。

普段はなかなかゆっくり話をすることができないような、
大の大人たちが、
時間を忘れて夢中になっていた。



世代も、業界も違う大人たちが、
同じものをつくりながら、
「それいいね!」「らしいね!」なんて認め合う。
バターナイフと言えども、
両隣の人とも、全く違うものができていた。

「もう一回つくりたい!」「これ、はまりそう」
その時間、空間がものすごく尊くて、
なんだか心が満たされた。

しかも、森のように懐の深い淳平くんは、
全員の工程も、完成品も、
すべてを全肯定してくる。

見本と全く違うものでも、
「新しいっすね!」
「日本にはない感じですね!」
「こーれはまたいいですね!!」って。

きっと私はこのバターナイフを使うたび、
この日のことを思い出す。
メンバー、森の匂い、温かさ、感情。

これって、写真みたいだ。
写真が視覚的にその場を残す手段だとしたら、
グリーンウッドワークは、
感覚的にその時の五感を日常的に使う道具に封じ込めることができる。

大切な人と一緒につくったスプーンで食べるカレーは
どれだけ美味しいことだろう。

この気持ちを思い出させてくれるスプーンでコーヒー豆を計って
毎朝コーヒーが飲めたら、
なんて幸せなことだろう。

そのあとは、同じ地域にある
猟師のレストラン「gu-ni」でジビエランチを頂いた。
朝日とともに猟に出かけ、「猟師飯食堂」を営む裕樹シェフの
繊細で、豪快な料理たち。

「鹿肉の味は猟師の腕にかかっている」と言われているそう。
狙った鹿にストレスや緊張を掛けることなく
瞬殺で仕留めるらしい。

これが、信じられないくらい柔らかくて美味しかった。
そしてこのスパイシージビエカレー。

そういえば、彼には別のところで
猟師仲間が集うカフェのアニバーサリーイベントで
あらいぐまのハンバーグをいただいた。
(動物愛護団体の方から怒られそうだけど・・・)
彼らは、自然とともに生きている。
欲に任せて過剰に捕ったりもしない。
この辺のことは、また別の機会に。

そんなこんなで、淳平のインスタのアカウントを見ていたら、
鳥肌立つくらいの素敵な道具が並んでた。

特に、
3月30日の投稿や、4月11日の投稿は悶絶もの。

いつか器もつくてみたい。
カッティングボードも欲しいな。
お弁当箱もいいな。
ミールトレイも人数分欲しい。
ククサに熱々のスープを入れて、、、
なんて妄想が膨らんだ。

思いが詰まった目にも温かい道具たち。
それでいて、
淳平くんのまわりはどれもオシャレなんだな。
工具たちも、切り株のような台も、椅子も、
なにもかも。
経変変化も味になり、
歴史を刻んでいるようで、
とてもいい。

この何とも言えない感覚的な体験をしたい方は、
ぜひ淳平くんのアカウントをフォローして、
イベントを待ってみてもいいし、
我慢できなくなったらDMしたらいい☺

彼の作品を買うのもいいけれど、
ぜひ自分の手と五感で体験してみてほしい。

郡上でできる面白いアクティビティーをまた一つ知った。
キャンプや、ラフティング、盆踊り、スキースノーボードとはまた一味違う、
静のアクティビティー。

最後に。
彼のことがよくわかる動画もここに。

https://www.instagram.com/reel/Cuj3WXPgFnH/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

映像:ryuto sakamoto


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