金魚との闘い

我が家というかもう私なんですが、私は金魚も飼っていました。
むしろ飼わざるを得ない状況に追い込まれました。

金魚が来たいきさつ

私には姉夫婦のところにかわいい姪や甥が山ほど(5人)いるんですが、その甥姪たちが小さいころに金魚すくいをして取ってきた金魚をなぜかうちに置いて行ったのです。正確には金魚すくいでなく「金魚つかみ」です。
私は滋賀県に住んでいるのですが、滋賀県大津市には「南郷水産センター」という淡水魚の研究と遊園地を兼ねたような施設があり、そこで夏休みにやっていた企画でそういうものがあったのです。
想像してみてください、手づかみできる大きさの金魚を。
もはや鮒ずしの材料となるゲンゴロウブナほどの大きさの金魚を。
ゲンゴロウブナがピンとこない方は一匹100円くらいで売ってるアジを想像してください。あれくらいの大きさの金魚です。
そういうのが30センチ水槽に10匹、詰め込まれて我が家に放置されたのです。10匹群れを成して泳ぐ姿は圧巻、もはや生簀です。
とても30センチ水槽ひとつでは足りません。
置き場も確保しなければならないので、あと二つの30センチ水槽と水槽を置く台まで購入して、一つの水槽に3~4匹に分けました。それでも全然容量オーバーですがこれ以上水槽は増やせません。

私自身も小さい頃は金魚すくいでとってきて、ちょっと飼ったりもしました。でも、金魚すくいでとる金魚はそもそも弱っているのであまり長生きするものではありません。
しかし、この時うちにきた和金たちは、20センチ近くなるまで生き抜いてきた猛者たちです。そうそう死ぬとは思えないし、死なせるのも後味が悪いです。金魚の飼育経験はほぼないながら、ネットで調べたりしながら巨大な和金たちとの壮絶な共同生活が始まりました。

病気との闘い

何が壮絶かって、まず水があっという間に汚れます。
そもそも一つの水槽に20センチ近いのが最大4匹入ってるのがもう無理なのです。でもこれ以上水槽は増やせません、頑張って掃除します。
でも水が汚いと病気にもなりやすく、金魚の風邪といわれる黒点病(水槽掃除の後放置で問題なし)松かさ病(ちょっと重症、隔離して塩水浴が薬浴)、白点病(寄生虫による厄介な病気、根気強い薬浴が必要)など次々と発症。中でも松かさ病と白点病を同時に発病した個体はとうとう帰らぬ身となってしまいました。
白点病の治療には当時はマゾテンという劇薬を使っていたのですが、これが希釈率が半端なく百倍とかどうしたらいいんだと悪戦苦闘したりしました。
ちなみに現在はマゾテンは製造終了しているようで、今持ってる分はどうしたらいいのかなとちょっと考えてしまいました。劇薬なのでうかつに処分できないのです。また調べなければ。

マメに掃除できれば一番いいのですが水槽の掃除は重労働で、また個体がでかいので汚れるペースが速い。フィルターもいろんなものを試しましたが、上部のくみ上げ式のフィルターは詰まりやすく掃除が大変で、また水流が発生するので強すぎると魚に負担をかけます(一匹これで死なせてしまった…)。あとけっこう寿命が短いので、知らないうちに止まっていたりもするので油断できず、まめに買い替えなければなりません。結局、個人的には原始的なブクブクが一番いいんじゃないかと思っています。
あとは水温が低いと病気になりやすいのでヒーターを使ったりもしましたが、ヒーターも壊れたりするので、一度熱湯にしかけて金魚を茹で殺しかけました。回転したり浮いたりおかしいなとおもったら、けっこうないい湯加減でした。あの時の金魚の目はたしかに「殺す気か!」と言ってたように思うのです。

口に入るものはなんでも食べる

これではいけないと、水槽のほかに大きめの睡蓮鉢を購入しました。
置き場所は取りましたが、これなら広いし掃除も楽です。
そこに3匹を放ち、端にかけられるタイプのフィルターを設置します。
青い睡蓮鉢にオレンジの20センチ超の金魚が悠々泳ぐ姿はそれなりに美しいものでしたが、屋内の土間に置いていたのでそれなりのトラブルもありました。
睡蓮鉢での出来事としては
・ムカデが溺死してた
・Gも溺死してた
・何ならGを食べてた(金魚が)
蓋のない睡蓮鉢は我が家に巣くう生き物の水飲み場になってしまってたようで、いろんな虫が寄ってきていたようでした。しかし金魚もさすがは20センチ超、ちょっとした虫なら食用にしてしまってたようでした。
虫たちにしたらとんだトラップです。
ムカデはでかすぎたのもありガン無視してましたが…。
Gの話は読む人によってはトラウマになりそうなので自重しますが、また機会があれば書きたいと思います。

金魚や鯉は雑食で何でも食べると言われますが、飼育してみて本当に何でも食べる事が実感できました。
水草など入れようものなら種類問わず丸裸にされ、水槽掃除のお供にとタニシを入れたらうまいこと中身だけ食べ、雌雄の区別ができてなかったので適当に配置したら、入れてはみたけど絶滅しそうになったので救出したマツモに産卵しており幼魚が生まれ、鉢に残った卵や幼魚も確認できたのですが容赦なく食べてました。

そんな感じでなんと次世代まで生まれてきた我が家ですが、上記の通り口に入るものは何でも食べる連中です。口に入らないくらいの大きさになるまでは一緒の水槽に入れるわけにはいかないのでまた水槽を増設する羽目になりました。
十数匹確認できた幼魚も最終的には5~6匹になり、さすがに成長してやっと普通の金魚の大きさで、これはそれなりにかわいかったです。小さい…顔がよく判別できない…なごむ…。
色も親はみんなオレンジでしたが、黒や白の個体もいて楽しかったです。ただ、この子たちも親ほど成長することなく死んでしまいました。

親の金魚が来たのがいつくらいでいつ全滅したかはよく覚えていませんが、最初来た時水産センターからもらってきた金魚のえさを現在のねこが気に入ってつまみ食い(というか袋を引き破って食べていた)してたので、とりあえずは2004年の夏以降なのは間違いないと思います。
全滅したのもいつか覚えていないのですが、母親が脳梗塞になるころにはもういなかった記憶があるのでうちにいたのは5~6年ではなかったかなと思います。それにしてはいろんなことがあったなあ…と遠い目になりますが、これが通常サイズの金魚ならもうちょっと穏やかに愛でられたかなと思います。

あとはマタナゴやアブラボテが来たり、鯉の稚魚が来たり(金魚すくいでまた姉のところが取って持ってきたけど、色のバリエーションとひげがあったことから鯉の稚魚と思われる)魚類も淡水魚ばかりですがいろいろやってきました。そんな話や金魚の思い出もまだまだあるのですが、また別の機会に書きたいと思います。
今回はここまで。

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