相続登記と滅失登記の苦闘の記録~その7 滅失登記の申請をする

さて滅失登記です、今回のうちの場合、用意するのが難しいのは建物滅失証明書です。
証明に有効なのは建物を取り壊した業者のサインおよび押印、登記簿、すでに廃業している場合は領収書の類とその業者がもう存在しないという証明とかそういう感じになると思うのですが、うちの場合はどこの業者だったのかすら分かりません。
業者に頼んだのは確かなので領収書は絶対あるはずなのですが、それも見当たりません。
こうなると上申書に頼るしかないのですが、そこまでにできるだけの事をした上で、とあるのでまずはとことん調べないと仕方ありません。
そういうわけで馬鹿正直にできるだけのことをやってみます。

まずは業者の特定です。
家を建てる時にお願いした工務店がまず有力だったのですが、ここはすでにありません。同じ代表の方の新しい会社がある事を知ったのでそちらにメールしてみましたが返事はありませんし、母によると壊したのはそこではなかったとのこと。
次はその建物のある近辺の工務店にあたりをつけて連絡してみますが、いずれもハズレ。向こうとしては迷惑なことです。
当時は空き家だった平屋の手入れも同時に行っていたので、近所の工務店の方に覚えがないか聞きに行ったりもしましたがここでも手掛かりなし。
その当時からしても10年以上は前の事なので他人様にはなおさら、わかろうはずもありません。
そんな感じで業者探しは暗礁に乗り上げます。
こうして書くと一瞬ですが、当時はネット検索や古い電話帳まで引っ張り出して、仕事以外はずっとそれを調べていました。
家の中も家探しして取り壊しの契約書や領収書がないか調べたのですが全く出てきません。結局滅失登記で一番時間がかかったのはこの作業でした。

これで手は尽くしたと、最後の手段である上申書の作成に取り掛かります。
正直いきなりこれのほうがなんぼか早かったですが、もし取り壊してくれた業者が判明してても、証明書を書いてもらって登記簿とってもらってってなると、それはそれで時間がかかってしまっただろうなと思います。
もしかしたら問い合わせた業者の中に本当は該当の業者がいた可能性があるのではと思っていますが、そんな10何年も前の取り壊しの話など面倒だからごまかされたとしても不思議ではありません。
上申書でなんとかなるならなおさらです。

上申書を書くにしても何を書いたらと思ったんですが、結局、両親がこちらに引っ越してきてなぜあの家を買ったか、誰から買ったか、という話から始めて、取り壊すまでの顛末とその後の事も書きました。滅失時期もはっきりしなかったのですが、実は解体費用は母の交通事故の示談金から出したそうなので少なくとも母の交通事故の示談が成立した後の事だという推測ができたので交通事故の事も書きました。滅失時期については税務課では建物がなくなってるのを把握していたので、いつから建物が無くなってるのかの確認をさせてもらえたらと思ったものです。

で、半分ファミリーヒストリーみたいな上申書を作って、でもここまでファミリーヒストリーみたいなのでいいのかな、もうちょっと形式ばったやつの方がいいんじゃないかと思って、テンプレート通りのやつも一部作って持っていきました。

こんな感じで登記申請書と上申書、現場写真と住宅地図(ゼンリンのものを有料で購入)旧登記簿と亡き父の除籍謄本、死亡証明書などをまとめて、これで通りますようにと祈りながら法務局に向かいました。

続きます。

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