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新婦のドレス試着に同席する新郎の態度の正解

私事ではあるが、結婚披露宴を開催するにあたり妻がドレス選びを行った。
その際に一般的に行われる「ドレスの試着」というイベントを経験したのだが、どうやらこのイベントは新郎側にとってもまぁ難儀なイベントであることが多いようで周りからも様々な経験談を聞いた。
踏まえて、新郎の立場としてこのイベントにどのような心持で臨むのが正解かを考えてみた。

「ドレス選び」とは

そもそも経験のない方も多いかもしれないので説明するが、結婚式や披露宴あるいは前撮りやフォトウェディングといった写真撮影にあたり、新婦はドレス(和装の場合もある)を着る。
それにあたって事前に貸衣装やドレスショップで試着を行い当日までに手配するのだが、「お気に入り」のドレスにたどり着くために複数のショップを巡ることも珍しくない。

新婦がひとりで巡るパターンもあるが、新郎が「どう思う?」の相手役として同席することも多い。
そしてこの同席する新郎の心境にスポットを当てたのが今回のテーマというわけだ。

一般的な新郎側の反応・体験

(私の意見は置いておいて)周りやSNSで聞いた新郎の意見や体験談で多かった「本音」は以下のようなものである。

・何回も付き合わされてとにかく疲れた
・かなり自分の意見も伝えてふたりが満足するドレスを探した
・自分の意見など意味がない、新婦が気に入るのをひたすら待つイベント
・正直どれでもいいが金額の心配だけしていた
・一回だけ同席したが、キリがないと感じてあとは任せた
・「この服どっちがいいと思う?」問題の最終ステージ

多くの新郎にとってはかなりの鬼門であることは間違いないようだ。
ちなみにこの時期には新郎のタキシードも決めないといけないことが多いのだが、多くの新郎はこだわりがないので「これでいいや」「一番安いのでいいや」でほぼ一発で決まるらしい。

数回の同席で私が感じたこと

さて、上記のような体験に怯えながらも若干どんなものかワクワウしながら私も臨んだ。
3店舗程度の試着に同席した時点で飽きたので4店舗目は一人で行ってもらった。(結果4店舗目で決めてきた。私はなんだったのか)

結局おおむねの世論には理解を示すことになった。
この経験を通して感じた主な感想は以下である。

・ひとつひとつ着るのに時間がかかる(=一度の試着が長い)
・試着中に店員と新婦で盛り上がる、新郎は文字通り蚊帳の外
・似たようなドレスなのに全然値段が違う
・ショップによってドレスの品ぞろえ、雰囲気、店員の相性は異なる
・3着目くらいからもうコメントが思いつかない
・1店舗目は楽しめるが、3店舗目くらいで限界
・これがどうか運命の一着(=決定)でありますようにと毎回願う

実際に私の態度は下記のように変化したように思う。
1店舗目→積極的にコメントと反応、写真撮りまくり
2店舗目→基本「おお、ええんちゃう?」、無感情で4方向写真
3店舗目→「ええやん」、写真撮るの忘れる
4店舗目→欠席

如実に態度に出るクソ新郎であることは認めるが、複数の試着に同席する大方の新郎は大なり小なりこのような経路をたどっているのではないだろうか。
4店舗目に関しては、むしろこれ以上は失礼な態度になりかねないと判断しての欠席である。

新郎の態度の正解

以上を踏まえて、これからあるいは今ドレス試着に同席している新郎に対して私が思う正解の態度を伝授しようと思う。

①何事も経験、一回は行け

端から「俺はいいや」は言語道断である。
経験としても初回は楽しめるはずなので初回は積極的に同席しよう。そしてカメラマンに徹するのである。
コメントしてもしなくても構わない、同席したうえで写真を撮って喧嘩をしないことだけがミッションである。
そしてもし1回目で決定しようものなら、新婦を称賛しよう。

②「盛り下げない」ことだけを徹底しろ

同席の際は「盛り下げない」ことだけを心掛ければよい。余計なことさえ言わなければ問題は起きない。
以下のコメントは禁句である。新婦のみならず店舗に対して礼儀を欠いている。
「はやくしろよ」
・「もうどれでもええわ」
・「高っ」
こんなイベントで揉めるようでは夫婦として先が思い知れる。
危機管理は新郎側の役割と心得よ。

③自分のこだわりや条件は遠慮なく伝えよう

若干先述の「盛り下げない」と矛盾するように聞こえるかもしれないが、言わずもがな新婦が主役であろうが結婚式や披露宴はふたりのイベントである。
新郎側にこだわりがある場合は尊重とともに伝えるべきである。
ここですべて「新婦の言いなり」になるようではこの先の人生に自己決定権を失うと考えたほうが良い。

・「そのデザインだけは気に入らないので他のにしてほしい」
・「それは予算をはるかにオーバーしているために賛成はできない」

のような指摘はむしろ建設的である。
つまり「盛り上げている」コメントである。
特に予算に関する両者のプライオリティギャップは大きい。
「一生に一度だから」という言葉とともにうやむやになることが多いが、逆に資産は一生続く問題である。
お金は新婦だけのものではない。そして試着の場において最も冷静なのは新郎である。その投資が本当に必要かのジャッジができるのは、新郎なのである。

この程度の指摘で逆上するような妻であればその場で捨ててしまえ。

ドレスの試着は夫婦のイニシアチブを占うイベントである

ドレスの試着イベントは大げさに言うと、イニシアチブ決定戦である。
新郎にとっては

・新婦の課題をどれだけ自分事化できるか(共感脳があるか)
・どれだけの胆力とフットワークの軽さを持っているか
・どれだけの冷静な判断ができるか
・どれだけ自分の意見を貫く推進力があるか

という試金石であり、これらの発揮を通して夫婦間での問題を今後も解決できる能力があることが証明できれば意思決定権は大きくなる。

逆に、このイベントでポジティブな存在価値を示せないようでは新婦側に「だめだこいつ、今後は私が決めよう」と無意識レベルで思われてしまう。「どうやり過ごすか」というその場しのぎの発想では非常に危険だということを肝に銘じて挑むべきであろう。
新郎とは、心労である。
健闘を祈る。

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