休職日記⑩(その2)
越後湯沢からは完全な雪景色。スキー場が多くてそれらの客もちらほら。飯山線全線制覇が目的のため、起点である越後川口までそのまま行きたかったのだが、そうすると次の飯山線の始発まで1時間半待たなくてはならず、かつ駅周辺には飲食店はおろか店自体が見当たらないので、いったん六日町駅で下車し、北越急行に乗り換えて飯山線も通ってる十日町駅を経由することにした。十日町駅でも1時間の連絡があったけど、ここには一応お店があったので、まずは駅前の居酒屋「志天」でランチをすることに。かき揚げ丼とざるそばのセットをいただく。かき揚げの具がどれもぷりぷりして美味しかった。味付けはこのあたり特有の濃い田舎風のたれで懐かしくもあった。楽天ペイが使えてちょっと嬉しかった。
食後は駅周辺をブラブラして、大きいスーパを見つけたので、車内でお腹空いたとき用にパンを購入。これは結局宿で食べることになるのだが。
十日町駅からいったん越後川口まで下ってから、また飯山方面まで上るルートにした。重複して乗車できるのも乗り放題の強みでもある。飯山線の十日町以北は思ったよりも険しい景色はなく平坦な感じで軽やかな気分でいられた。天気が晴れたり曇ったり忙しく、どちらにせよ絶えず雪が降っている。太陽光に当たるとジリジリと暑くて変な気分であった。3月といえば3月らしいけれど。
飯山線終点の越後川口は滞在15分ほど。上越線も通っててこちらは途中駅の一つにすぎない。本当に周囲に何もない。ここでお昼ご飯はやはり無理だったっぽい。
折り返し戸狩野沢温泉駅行きで今度は飯山を目指す。十日町〜戸狩野沢温泉までも初めての乗車だったので車窓を楽しむ。まだそれほど疲れてなかったけど、少しウトウト。Wikipediaを参照しながら写真や動画を撮ってたらスマホのバッテリーが激減したのでモバイルバッテリーを装着。南下するほど雪の量が減っていく感じ。
戸狩野沢温泉駅の周囲も寂れ具合が凄い。ここは幼少の頃に来たことがあるが、かつての賑わいはない。野沢温泉など観光地へのバスが廃止され、全て飯山駅発着になったことも大きいのだろう。そもそも野沢温泉さえ厳密に言えば隣り駅が最寄りたしね。駅名も今では虚しく感じる。ここでは30分待ちで始発の長野行に乗り換える。
ここから先は、学生やら何やら比較的車内が賑やかに。だが相変わらず座れない程ではない。ただ、一人でボックス席に座るのは申し訳なく感じるので一人がけに移動する。そして飯山駅。母の実家でもある。今回はその廃れた実家の現状確認と、祖父母の墓参りも目的である。今回は時間的にレンタルサイクルは無理そうだったので歩いて向かう。ここでも塵のような細かい雪にまみれたが、不思議と服が濡れない。東京のよりも乾いた雪なのだろうか。
5年ぶりなのでちょっと道を間違えたりもしたが、何とか到着。まずは静間神社の斜面にあるご先祖様のお墓にご挨拶して足早に母の実家へ。ものの見事に朽ち果てていて、厠があった部分だけかろうじて骨組みが残されてる感じ。つわものどもが夢の跡…。
目的を果たした後、散策しながら飯山駅に戻ることにした。幼少期にお世話になった商店のそばを通り、国道に出る。ベイシアの喫茶コーナーを利用しようと思ったら16時閉店で入れず。この辺りの店も全体的に早仕舞いのよう。やむを得ずベイシアオリジナル商品の桃ミルクを買う。桃の果肉の自然な感じが良かった。
このベイシアとともに入居しているカインズは映画「楽園」の劇中で、杉咲花がアルバイトで品出しをしているシーンにも使われた場所でもある。他にも静間で使われたシーンもあったらしが今回は時間もないのでパスして駅へ急ぐ。
約2時間強の飯山滞在であったが、ここでもスマホを酷使してしまいバッテリー瀕死状態になり途方にくれていたら、駅の休憩スペースにコンセントがあって助かった。たった19分でフル充電できる"神ジューデン"で命拾いした。ありがたい。
18時17分発長野行に乗る。もう辺りは真っ暗だが、この区間は乗り慣れているのでただひたすら休む。(続)