指が6本になった話

ある日
北関東の見知らぬ駅に立っていた。
自動販売機ほど大きい券売機を前にして
切符の買い方がわからず四苦八苦していた。

よくあるコカコーラの自販機のような
風体を思わせる真っ赤な券売機。

上部の左右にあるタッチパネルに触れると
目的の路線が選択できる仕組みのようだ。

いじくり回したすえにようやく買えた
青梅行きの切符。
気づくと券売機周辺は切符を買い求める客で
ごった返していた。

そこに突然現れたおっさん二人組が
券売機を勢いよく後ろに倒してしまった。

ズッドーンという衝撃の直後
自分はなぜか見知らぬ畳の部屋にワープしていた。

自分の手に違和感を感じ
恐る恐る手を見ると、右手の薬指が
小指側にムニュと1本多く生えていた。

付け根の関節部分まで本来の薬指と
同化してはいたけど、他人と握手しても
まったく違和感を感じなかった。

趣味でギターを演奏しているので
一本多いことで何かの役に立つかもな


思った。



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