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「エズラ記・ネヘミヤ記」


「内容」

 もともとエズラ記とネヘミヤ記は一つの書物であったので、今回も1書つして扱う。エズラ記は、キュロス勅令(前539年)から第二神殿の完成(前515年)までの捕囚後の初期の時代に関するものである。
第一の主要部分(エズラ:1~6)は三人称の語りによって記されており、神殿再建のために、ユダの民がエルサレムに帰還するとることを許可するキュロスの勅命から始まる。彼らは帰還後すぐに祭殿を再建し、犠牲をささげ始めた。敵の反対などで工事の中止はあったが、ダレイオス王が、建築の継続を許可し、前515年に神殿は完成した。
 第二の主要部分(エズラ:7~ネヘミヤ:13)は一人称で書かれ、エズラ(アロンの子孫で律法学者+祭司)のエルサレム帰還から始まる。エズラの紹介の後、エズラの回想録に切り替わる。エズラは帰還後、特に雑婚の罪に対処しなければならなかった。
 ネヘミヤ(アルタクセスの献酌官)はネヘミヤ1章で紹介される。ネヘミヤは皇帝の祝福を受けて帰還したが、エルサレムの復興事業に対して地元の反対を受けた。勇気と決意と信仰によって、城壁の修復を、成し遂げた律法は再び制定され、城壁と都が回復してようやく契約が更新される。最終章(13章)人々の継続的な罪とその罪を止めようとするネヘミヤの訴えで締めくくっている。

「著者と年代」

エズラ・ネヘミヤ記の著者は、エズラとされていたが匿名である。完成したのは前433年以降のことである。

「文学ジャンル」

歴史物語であるが、書簡、王家の勅命、リストなどが含まれる。

「福音書へのつながり」

 この書に記録されている出来事は、救いの預言的託宣の最初の成就を示すものであるが、さらにその先がある感覚がある。それに優るものが福音の主題である。
 神は、自らの民が異邦人から分離されることを望んだ。エズラ、ネヘミヤはその必要性を雑婚に対する抗議で、物語っている。イエス・キリストが来られて初めてこの分離は打ち破られた。

「適用」

 ペルシャのキュロス王の国家政策とはいえ、バビロン捕囚の民がユダに帰還することが許されたのは、希望の預言が成就するものであった。
 エズラ、ネヘミヤを中心に多民族の妨害がありながら、ユダヤの民をまとめ上げてエルサレムを修復したのは、神が最終的に民を見捨てなかったことを感じます。
  

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