「ルツ記」
礼拝のメッセージというより、教会学校で必ず扱うので、知っている人は多いと思います。短くて読みやすい話ですが、あらためて気付かされたことがあるので、短く解説します。
「内容」
① 飢饉を避けるため、モアブに旅立ち、しばらく生活する中で、ナオミの旦那と息子2人が死亡して、ナオミとモアブ人の2人の息子の嫁のルツとオルバの3人が残されるという悲惨な状況を描写することから始まる。 (1章前半)
② ナオミはベツレヘムに戻ることを決意する。ベツレヘムに向かう中で、オルバはモアブに残るが、ルツはナオミについていくことを決意する。(1章後半)
③買い戻しの権利(ゴエル)を持つボアズとの出会い、ルツと結婚し、ダビデ王の先祖を生む 。
ここでは、ナオミに対するルツの忠実心 、ナオミとルツに対する ボアズの忠実 心(神の定めたことに対する3人の忠実心) がよくわかる。 (2〜4章前半)
④ ダビデの系図が書かれている(4章後半)
この書の結末は神学的・政治的な目的が重要であったことを反映している。つまり、ダビデの誕生に神の摂理の手が関与し、その結果、ダビデを王位に導くのも摂理であることを暗示している
「著者と年代」
はっきりわかっていない。ダビデの系図があるので、ダビデ王の治世以降と推測できる。異邦人女性との結婚を禁じていたエズラ記とネヘミヤ記に対する反論として、後世に書かれたという説もある。
「文学ジャンル」
歴史物語
「福音書へのつながり」
イエスの系図 には女性は4名のみだが、その中にルツの名があ(マタイ1:5)。神の摂理(意図)が贖罪にどのようにつながるか示した例イエスの処刑は人間的には彼を憎む者たちの陰謀と行動の結果であったが、背後には救いをもたらすための神の隠れた摂理の手があった。
「適用」
この書を通して、どんな不利な状況でも神の摂理がしっかりと働くと、よい結果になるのではないかと思いました。ただ、そのためには、神にしっかりとゆだねて(ルツ記1:16)、この3人の登場人物のように忠誠心、優しさを持ってどんな人にも接していく必要があるのではないかと思いました。
登場人物の生き方は見習っていきたいと思います。
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