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WD#27 総文レポート

 以前から度々話題に上がっている化学部だが、なんとこの土日に「総合文化祭」たるものが開催される。
 なんだそれはという人も少なからずいると思うので、軽く説明させていただく。
 総合文化祭とは、年に一度開かれる化学部系の大会みたいなもので、総合体育大会、通称総体と呼ばれるものの文化部バージョンだと思っていただければ良いだろう。
 まあつまり、化学部において一年で1番大事な大会ということになってくる。
 今回のWDではその総合文化祭のことを丁寧に書き連ねていこうかと思ったのだが、なんにせよ土日まるまる使うので書く暇がない。
 そこで、今回はリアルタイムレポート(自分で考えた言葉)という手法を用いてしっかりと日曜日に出せるようにWDを書いていこうと思っている。
 カタカナで言ったものの、それは別に手法と言うまでもない。
 なにか「これは書こう」と思ったことがイベント内であれば、その後隙間時間を見つけて書き記す、これを日曜まで繰り返して一つにするという感覚である。
 これをかっこよく言って、リアルタイムレポートと呼んでいる。
 なお、実のところここまでの文は全て会場(ポートアイランドのIKEAの横にある科学館)へ向かう電車の中で書いている。
 そのため、今ここを書いている時点では私は発表を控えドキドキしている状態なのだ。こういった心境も今回はコロコロ変わっていくものだと思われるのでまあ気長に呼んでいただければ幸いである。

【1日目終了】
 マジかよ、と思った人も少なからずいると思うので軽く釈明すると、本当に時間に隙がなかったのである。本来なら口頭発表終わりなど細かく分けたかったのだが、事実として先ほどの文を書いてから10時間経過してしまった。
 まあ、別に1日分まとめて書けば良いのでそこまで変わりはない。淡々と書いていこうと思う。

 会場の科学館には9時入りで、そこから四階と地下という真逆の階層に分かれる。その分け方はというと、化学地学が四階、物理生物が地下という割り振りである。
 まずここで四階に上がったのだが、そこで私は初めて会場の規模を見た。
 驚いた。
 思ってた4倍狭かった。
 その広さの比喩はかなり難しいが、まあ私の中学校で例えるなら多目的室くらいの広さであった。本当に公式の県大会なのか?と一瞬疑問が生まれたが、ここにきて「実は嘘でーす」などとエンタメに富んだことをされるはずもないだろうと思い席に座った。

 大会の流れをざっくりと説明すると、まず発表チームが前に出て、発表して、質疑応答して終わり、これを何チームも繰り返すという流れである。私のチームは3番目となった。
 ここで1番重要になってくるのは、質問してくる大学教授や高校教師の雰囲気である。
 今回は4名だったのだが、その中にめちゃくちゃ詳しい人がいたらこっちの答えようがない質問をされて困るし、逆にそこそこの人が来て特に意味のないような質問をされても困る。
 1番ベストなのは、「ここのここでこんなことをおっしゃっていましたが、そのあたりはどうお考えですか?」とか、「1番大変だったことは何ですか?」など、しっかりと会話できるのが理想である。
 非常に疎まれるが、現代的にいうなら質問ガチャとでも言っておく。
 その辺りを心配しながら早速一組目の発表が始まった。人工いくらの作成に関する発表だった。
 発表はとくに問題なく終了し、いよいよ肝心な質問時間がやってきた。
 1人目の先生は、「人口いくらの色が時間経過で変わるとおっしゃっていましたが、それは何故だと思いますか?」と訊いた。
 なかなか良い。
 2人目の先生は、「この研究で1番苦労したことについて教えてください」と訊いた。
 そう。今回の質問ガチャは大成功を収めたのである。ここまで期待通りなことが怖いくらい望んでいた質問手だった。
 それを知った私は胸を撫で下ろし、いざ自分の発表を迎えることになった。

 いよいよ出番。私のチームの発表は4人で行い、私はそのトップバッターを務めることになっていた。
 発表を始めてくださいというアナウンスとともに、思っていたより緊張せずにスラスラ話すことができた。ここまではかなり順調。そこから先輩にバトンタッチし、無事問題なく発表を終えることができたのである。
 しかし、ここで安心はできない。むしろここからが大事だ。  
 いざ質問タイム。すると、何と審査員席の先生方があまり手を上げないではないか。
 「あれ?」と思い様子を窺っていると、なんとなんと、奥の方に座っていた三田祥雲館の生徒が挙手したのである。そう。実は生徒も質問できるという制度があるのをすっかり忘れていた。
 司会がマイクを持っていくと、その人は「スライドにある写真が話している内容と違う」的な質問をしてきた。しかも、何故か分からないがそれに付け加えて幾つか質問してきた。
 それを聞いて質問応答担当だった私は何とか辛うじて答えることができたのだが、まさか生徒から出てくるとは思わなかったのでかなり不意打ちであった。
 また、その後普通に大学教授から「1番苦労したことは?」と安定の質問を頂いたため、その後は平常に応答できたのである。

 こんな感じで、一年の部活のなかで1番大事な瞬間を終えた。
 この後にフリーセッションという先生方となんとなくポスターを使って気楽に語り合おうぜみたいな会があったが、いつもの如く文字数が危険な香りがするため全カット。
 ということで、以上が1日目の内容である。
 かなり飛ばし飛ばしだったので荒かったとは思うが、また明日も控えているのでとりあえず私はここで寝たいと思う。

【2日目朝】
 おはようございますとでも言っておくか。
 日曜日は、発表内容を軽くまとめたポスターを使い、実際に教授らと対面で会話する、まあさっき(12時間前)書いたフリーセッションのもう少ししっかりしたやつと思っていただければ都合が良い。
 今はそれを行うために全く同じ会場へ電車で向かっているのである。
 ということで、また隙間があれば書く。

【2日目終了】
 予想はできていた。そりゃあ1日目にひまがなかったんだから、2日目に暇がないのも当たり前である。今は帰りの電車、時刻は午後5時。そのため、昨日と同様流れを説明していきたいと思う。もう流れが定まってきた。

 1日目の口頭発表は20チームくらいの参加だったのだが、なんと2日目のポスター発表は50団体ほど参加していた。理由としては、特に研究結果が出ていなくてもポスターだけ作って出ることができるからである。
 会場に到着するや否や、一行は1日目に我々が発表した4階に集い、各々ポスターを壁やボードに掲示し始めた。そして視界からアナウンスがあり、ぬるっとポスター発表が幕を開けた。

 ポスター発表の流れとしては、まず我々が軽くポスターを用いて発表し、その後それを見ていた生徒、先生から質問があり、それに対して答える、この一連の流れを15分×9セットノンストップで行うというなかなかにハードな内容となっていた。
 まあ、と言っても私は6セット目しか担当しないので他は全て一観客として参加するだけなのだが。
 1〜5セットはまあとりえあえずウロウロして、今回のみ参加した物理部の人と共に色々見たり訊いたりした。
 その中には、「糖でロケットエンジンを作る」とか、「スパイク現象の解明」とか、「人工いくらの長期保存」など、興味を惹かれる内容がいくつもあってとても面白かった。
 そしていよいよ自分の番(と言っても私は質疑担当だったためあまり喋らない)。口頭発表に比べると緊張は遥かに薄く、スラスラと話すことができたと思っている。質問タイムも、わざわざ書くほどのものではなかったため、今回は「まあうまくいきましたわ」程度にしておく。
 ちなみに、その後の7〜9セット目も特記すべきことはなく、ただ淡々と作業がなされているだけだった。
 物理部と合流し昼休憩1時間(じゃあそこでこれも書けただろと思う方もいると思うが、友人と楽しく話せる時間にこんなの書きたいとは思わないものである)を挟んで後半戦。

 後半戦は、まさかまさかのフリーセッション2度目であった。恐らく理由はポスター発表者が増えたからなのだが、2回目があると知った時は「なんで?」と思った。
 1日目のフリーセッションは発表者が必ずいなければならなかったのだが、2日目は誰か1人いればいいだけだったので、先輩に頼んで今回は見る側に回ることになった。また、ここでも物理部員と回った。
 フリーセッションというだけあり、かなりラフに他校と話ができたため楽しかったが、一つあまり芳しくないことがあったのだ。
 「雲の発生」というポスター発表の場所に行った時である。ポスターを読むと、かなり明確で、質問の余地がないといった感じであった。
 しかし、なんとなくノーコメントで去るのもアレだなと思ったのか、一緒に回っていた物理部員がいくつか質問した。しかし、その内容が「この三つの実験のうち、1番良かったのはどれですか」「この器具はAmazonですか?」「雲以外の実験はしましたか?」と、そんなこと聞いてどうするという質問を投げかけたのだ。私は横にいて非常にいたたまれなくなり、「そんなこと聞いてどうするんだよ〜」などと申し訳程度につっこんだりしたが、相手はかなり困った様子で、びっくりするくらい気まずかった。相手も何とかかろうじて答えてくれたが、結局気まずいままその場を立ち去ったため、その後やたらとそのグループと目が合う気がして非常に嫌であった。

 こんなことをしながらも、何とかフリーセッションが終わり、表彰に移る。
 ここでためてもしょうがないので結果だけ言うと、なんと優秀賞をゲットできた。
 順位的にいうと、一位が最優秀賞で1団体、2位が優秀賞で4団体、そして3位が優良賞で何団体か忘れたが複数団体といった割り振りとなっている。
 3位と聞くとパッとしないかもしれないが、兵庫県内で3位と考えるとかなり良成績なのではないだろうか。さすが1週間前まで毎日のように7時まで学校にいた甲斐がある。


 こういった流れで、今回の総合文化祭は幕を閉じたのである。
 土日まるまる潰されたのは痛かったが、いろんなことを学ぶことができたのでまあいいかな、と後悔はしていない。
 今までにないリアルタイムレポートという手法をとったがためにかなり遅い更新となってしまったことは申し訳なく思っている。これはかなり書く方もしんどいのでもうやらないかもしれない。
 とりあえず、今からはずっと無視していた週末課題と対峙しなければないため、今回はこの辺で。さようなら。




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