建蔽率、容積率

建蔽率（けんぺいりつ）と容積率（ようせきりつ）は、都市計画や建築設計において重要な概念であり、土地利用の密度を規制するために用いられます。これらは土地の有効活用を促進し、住環境の質を保ちながら、過密開発を防ぐ目的があります。

建蔽率

建蔽率は、土地に対する建築物の建築面積の割合を指します。具体的には、土地全体の面積に対する建築物の地上部分の基礎面積（建物が地面に接している面積）の合計がどの程度を占めるかをパーセントで表します。

建蔽率の規制は、特に住宅地において、隣接する建物同士の適切な間隔を保つことや、十分な日照・通風を確保するために設けられます。また、建蔽率が低いと、より多くの緑地や空地を確保することができ、居住環境の質を向上させることができます。

容積率は、土地の面積に対する建築物の延べ床面積の割合を指します。この数値は、建築物が土地に対してどれだけの「容積」を持っているかを示し、高さを含む建築物の容量を制限するために用います。

容積率の規制により、過度な高層化や密集化を防ぎ、住環境や市街地の適正な開発を促進します。また、容積率を調整することで、地域や用途に応じた建築物の規模や密度をコントロールすることが可能です。

建蔽率と容積率の違い

建蔽率と容積率は、共に土地利用の密度を規制する指標ですが、その焦点は異なります。建蔽率は土地に対する建築物の「広がり」を制限し、土地利用のバランスを保つために使用されます。一方、容積率は建築物の「高さ」や「容量」を制限し、過密開発を防ぐ目的があります。これらは相互に関連しながら、都市の健全な発展と快適な居住環境の確保を目指しています。