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フロイト

 学生時代、ちょっと頭がいいと思われたい学生はフロイトの『精神分析入門』か、マルクスの『資本論』の話をしていました。
 どっちもちゃんと読んだ学生は少なかったと思います。
 では、どっちが迷惑だったかというと、それは『精神分析入門』にカブれた学生の方でした。なにしろ、すぐ「夢判断」したがるし、聞きもしないのにこちらの深層心理を分析しようとします。
 素人にはそんなこと無理だと思うのですが、素っ気なくすると後々うるさいので、とにかくその学生の話を聞き、反論せず、納得したように会話を終えることに専念しました。

 一方『資本論』にカブれた学生の方は、数学を使わない経済学に馴染めないようでした。かといって、すぐ労働者革命を言い出すほどカブれておらず、なんとなく尻すぼみになっていきました。

 私は、一応『精神分析入入門』の文庫本を買いましたが、買っただけで読まずに卒業しました。

 あのカブれた連中、今頃どうしているのだろう、と思い出すことがあります。
 思い出してもすぐ忘れますが。

#フロイト #精神分析入門

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