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ジーパン刑事の父親 理解できなかった設定 (1218文字)

 かなり古いことで恐縮ですが、テレビドラマ『太陽にほえろ!』の話です。
 警視庁七曲署(ななまがりしょ)で警視庁のお偉いさんからジーパン刑事(松田優作)の父親についての話が語られた回がありました。
 ジーパンの父親も警察官で、拳銃を所持せず捜査に当たり殉職したのだそうです。ジーパンの父親の拳銃不所持は命令違反だったため、殉職時の扱いも冷たいものだったといいます。
 当時の扱いに後ろめたさを感じていた本庁の一部の幹部職員は、ジーパンが私服警官になる際に勤務評価をかなりゆるくしたのだそうです。
 まぁ、そんなことを事情通ぶって偉そうに言うなんて、なんて嫌なお偉いさんでしょう。

 ところで、ジーパンの父親は、「警察官に拳銃は不要だ。」というのが持論で、そのため命令違反をし挙げ句殉職したという経緯だったようです。
 ここで私が引っ掛かるのが、「警官に拳銃は不要だ。」ということです。この論理だと、この世に凶悪犯などいないということなのでしょうか。
  イギリスの警察官も(一部の例外を除いて)普段は拳銃を持たないそうですが、常に拳銃不所持というわけではないようです。
 一方同じアングロサクソンの国でも、アメリカの警察官や保安官は拳銃を常時携帯し、パトロールカーには散弾銃も装備されているようです(散弾銃は州によるかもしれません。)。

 私が思うに、警察官も自衛隊も軍隊も、命令には絶対服従のはずです。各自が勝手な考えで命令違反していたら、味方に被害が出てしまいますし、警備・保安・防衛ができなくなってしまいます。
 ですから、ジーパンの父親の命令違反は責められなければなりません。しかし、それと殉職とは別の話で、殉職時にはどのように対応するかは規則で決められているのでしょうから特別冷たい扱いをするというのも解せません。「刑事部長が圧力をかけたのかな。」とも思われます。

 ジーパン刑事もなぜか拳銃射撃が苦手で、ある事件でルガーP08を使う射殺犯人(元刑事)を逮捕する際には銃撃戦が想定されるため、ジーパンにとって比較的扱いやすい22口径の拳銃を所持してタクシーで犯人逮捕に向かっています。(このときタクシー運転手がジーパンの拳銃を目撃して警察に通報し、七曲署はジーパンの行動を把握します。)
 それにしても、命中精度が高いルガーP08(オートマチック拳銃で弾薬は9ミリ弾。装弾数は8発です。)に対してリボルバーの22口径拳銃(22口径だと約5.5ミリくらいです。装弾数は恐らく6発)で立ち向かうというのは、火力で比較するとジーパン刑事は著しく不利です。
 また、ジーパンが味方の支援を頼まず単独行動している点も問題で、自分が銃撃され負傷した場合、ルガーP08を持った殺人犯を野放しにしてしまうわけで市民を危険に晒すことになります。

 『太陽にほえろ!』は、好きなテレビドラマで毎週観ていましたが、当時としてもすっきりしないところがありました。

#太陽にほえろ

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