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爆撃作戦のときの計算 (1489文字)

 終戦の日を中心に、近代戦の映像として大型爆撃機が爆弾を次々と投下する映像がテレビで放送されることがあります。

 私たち日本人には、爆撃機といえば「B29」(ボーイング B-29  Boeing B-29 )ですが、ベトナムでは「B52」かも知れません。

 とにかく、「こんなに積めるものなのか。」と思うくらい大量に爆弾を投下する映像が流されます。

 それを見ていて思うのですが、「爆撃って、行き当たりばったりにやっているはずはなく、戦術的に最も有効と思われる都市なり地域に行われるはずだぢ、

 また、爆撃に使われる爆撃機やそれを護衛する戦闘機などの機材は有限だし、最も効果的に使用する必要があるから肝心の爆弾も「倉庫にあるだけ積んでいく。」というようなこともできないでしょう。

 となると、爆撃にはかなりの計画性が必要になるはずです。

 その計画について私なりに考えてみました。

 計画は、まず目標を定めることから始めます。

(1) 借りに目標となる地域(目標地域)の面積が100メートル×100メートルの10000平方メートルあるとします。

(2) 次に、その目標地域には5階建ての建物が建っていているとします。5階建てということは、おおよそ3メートル×5階×10000平方メートル=150000立方メートルですから、これがこの建物の体積になります。

(3) つまり、1回の爆撃で150000立方メートルを破壊できる量の爆弾を用意する必要があります。

(4) 一個の爆弾の破壊力が及ぶ範囲というのは解っていると思うので、150000立方メートルを破壊力するためにはどの程度の大きさの爆弾が何個必要か計算できるはずです。ここでは、仮に最もお大きなサイズの爆弾1個の破壊力は爆弾の中心から半径10メートルの円の内側(球の内側というべきでしょうか。)に及ぶとします。
 計算すると、この球の体積=4/3π×10×10×10=約1333π立方メートルとなり、1発の爆弾はこの範囲の中にあるものはすべて破壊されると計算されます。

(5) すると、150000立方メートル÷1333π立方メートルで必要な爆弾の数が必要になります。

(5) ところが、爆弾って水平飛行する爆撃機から投下するので、百発百中で命中することはありません。これも、命中率も解っているでしょう。仮に5パーセントの命中率だとします。
 すると、(150000立方メートル÷1333π立方メートル)/5パーセントの計算で、命中率を考慮した上での必要爆弾数を計算できるはずです。

(6) 爆撃機1機当たりの爆弾搭載量は決まっているはずなので、(5)の爆弾の個数から、この作戦に必要な爆撃機の機数が計算できます。

(7) 爆撃機の機数が決まれば、護衛に必要な戦闘機の機数も決まるはずです。

(8) 後は、いつ作戦を実行するか。上記の機材を準備できない場合は、作戦内容か爆撃機の運用を変更するかして作戦の成功を図ります。

 実際の爆撃計画はどうなっているのか分かりませんが、上記のとおり計画するのが理にかなっているように思われます。

 上記の計算は、高高度からの水平爆撃を想定していますが、急降下爆撃の場合は命中精度が高くなりますが、大型爆弾を使用できなくなるなどの制約もあります。
 さらに、現代なら巡航ミサイルの方が精密爆撃できるでしょうし、地下建造物の破壊には別の種類の爆弾を使用することになるでしょうから、別の計算をしなければなりません。

 なににしても、爆撃を冷静に計算するのって、気持ちいいものではありません。

#爆撃 #水平爆撃 #急降下爆撃 #爆撃計画
 

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