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『松明(たいまつ)は自分の手で』の作者 (1004文字)

 オートバイや自動車のホンダといえば、本田技研工業株式会社ですね。
 本田技研工業株式会社といえば、故本田宗一郎さんが有名です。
 『松明は自分の手で』(PHP研究所発行)という本は、その本田技研工業株式会社の副社長だった故藤原武夫さんの著作です。
 私がこの本を買ったのはテレビ番組で藤原さんのこととこの著作のことを知ったからで、「社長の地位を狙わず、ずっと副社長として辣腕を振るってきた藤沢という人は、なんか凄いな。」と思いました。

 この番組では、スーパーカブをヒットさせたことと、シビックが世界で最初にマスキー法をクリアーする(マスキー法が定める排ガス基準値を超えないことが確認された。)過程の出来事、それに本田宗一郎とともに退任する姿で終わりました。

 私は書類仕事をしている人間なので、本田宗一郎氏のように技術の人は遠い存在ですが、藤沢武夫氏のような事務の人には「こんなビジネスマンになりたい。」と憧れました。

 現実問題としては、藤沢さんは社外債権者に頭を下げつづけて返済の時期を伸ばしてもらったり、下請会社にも頭を下げつづけて無理難題を飲んでもらった人ですから、憧れたとしても真似できるものではありません。

 私が引き付けられたのは、お話にならないくらい定額のボーナスしか支給できなかったとき、ある工場の労働組合員のところに一人で乗り込み、説得したこと。
 それと、会社の経営が厳しくなっていて従業員の気持ちをまとめることが必要になったときに、「TTレース」に出場を宣言したことです。
 あまりに少ないボーナス額にいきり立っている大勢の工員の前に、一人で出て行き説得するという度胸と説得に現れる誠実さに心打たれた組合員が一応藤沢を受け入れる組合員。
 労働組合との協議がそんなに甘いものではないと思いますが、とにかくこの窮地を凌(しの)いだというのは藤沢さんはやはり凄腕です。
 またTTレースは、最近の模様をYouTubeの動画で見ることができます。このレースを見ると、ライダーに「お前正気か?」と言いたくなります。「TTレースに出場するライダーはレース前に遺言を書く。」と言われますが、「そりゃそうだろう。生きてレースを終われるなんて思えないよね。」と思います。

 そういう厳しいレース用のオートバイを作り、何年か後に優勝します。「本田技研恐ろしや。」です。

#松明は自分の手で #藤沢武夫 #ホンダ技研株式会社

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