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ウイングカーという技術革新 (845文字)

 F1の世界でウイングカーが登場したのは、ロータス78からだったと記憶しています。
 それまでも車体の下に流れ込む空気を利用してダウンフォースを得るという試みはなされており、車体前面から流れ込んできた空気を車体横から逃がさず車体後部に導こうとサイドスカートを取り付けるなど、各チームは工夫していました。
 そんな1977年、突然不思議なF1マシンが登場しました。直線の最高速はそれほど高くなく、しかしコーナーではほかのマシンを寄せつけないくらい高速を出す、不思議なF1マシンが登場しました。
 それがロータス78でした。「ロータス」のチーム名プラス登場年に「1」を足した数、という名称と巨大なサイドポンツーン(後輪前におかれるボディの張り出し部分。)が印象的でした。

 ロータス78は、翼を逆さまにした仕掛けをサイドポンツーン内に施し、さらにその逆翼と路面との間の空気の流れを速くするよう、車体のサイドスカートで空気が外部に漏れることを防ぎ、ベンチュリー管の形状を作りだしベルヌーイの定理を応用して強いダウンフォース(”down force” 車体を下向きに押し付ける力)を生み出す画期的なマシンでした。
 ロータス78は、逆さまの翼の仕組みをネーミング対象として「ウイングカー」と呼ばれたり、その逆さまの翼と路面との間にベンチュリー管の効果を生み出すことから「グランド・エフェクトカー」("ground effect car"「地面効果車」と訳せばいいのでしょうか。)とも呼ばれていました。

 上記のダウンフォースですが、計測によると1トン以上に達し、F1マシンの車重は1トンに満たないので「ダウンフォースが効いている状態なら、ウイングカーはトンネルの天井を逆さまの姿勢で走りつづけることができる。」と言われました。

 ウイングカーはいいことばかりではなく、死亡事故の記憶もあります。 しかし、それを書くと話が暗くなるのでここでは書きません。

#ロータス78 #ウイングカー #グランドエフェクトカー
 

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