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軍事評論家の見解って

 戦争はその結果があまりに悲惨なので、全力をあげて回避すべきと考えますが、「戦争は付ける薬がないときに付ける薬です。」(おぼろげな知識ですが、近世ヨーロッパの国家元首が開戦に尻込みしていたときに、その家臣が言った言葉と記憶しています。)という見解もあり冷静な解釈としてどう考えればいいのだろうか、と悩むところです。

 そんなことが頭にあったときに、YOUTUBE動画で「軍事評論家は、今回のロシアのウクライナ進攻について、ロシアがこんなに苦戦するとは誰も予想していなかった。それくらい戦争の見通しは立てにくいものだ。」という内容の話をしていました。

 日本の大学では戦争についての講義をしていないと思いますので(防衛大学は別として)研究者の絶対数が少く学会での意見交換が少ないので、多くの軍事評論家の予想がはずれるというか当たらないのは仕方ないように思います。そもそも戦争って当事国だけが力比べのように戦うわけではなく、諸外国の干渉がありその諸外国は各々の事情を抱えているので、戦争の予測には不確定要素が多すぎると言えますから、外れて当たり前と言っていいように思います。日露戦争だって、日英同盟があったとは言え日本が勝つとは誰も予想できなかったことでしょう。

 それはそうと、軍事評論家ってどういう人達がやっているのか疑問でした。あんまり需要がある職業とは思えませんものね。
 そんなとき、湾岸戦争の解説をしていた軍事評論家という肩書の人をテレビで見て、かつてある模型雑誌で「隼(はやぶさ)」のプラモデル製作解説を書いていた人だったので驚き懐かしんだ記憶があります。

 軍事研究者がプラモデルで副業をしていても差し支えありませんが、兵器プラモデルマニアを軍事評論家として戦争を語らせるのは間違っていると思います。
 戦争は、単なる残虐行為ではなく人間の英知を集めた政治行動だという見解もあります(たしか、スペインの哲学者の言葉だったと思います。)。この「英知を集めた政治行動」は極端に負の要素を持っていますが、戦争当事国は戦争に勝つために必死になるでしょうから「英知を集めた」はそのとおりなのかも知れません。

 私は、スペイン内戦について上っ面しか知らないので、上記の哲学者の言う意図を正確に理解できているわけではないと思います。そういえば、ナポレオン戦争についても上っ面しか知りませんし、マキャベリの『君主論』も軽く読んだだけで精読したわけではありません。今まで何度も読んだと言えるのは、渡部昇一さんの『ドイツ参謀本部』くらいです。その本だって、書かれている内容を本当に理解しているのかというと自信がありません。

 日本が戦争の当事国にならないように、また、日本が近隣諸国の戦争に巻き込まれないように、日本でも戦争研究が盛んになればいいと思います。
#軍事評論家

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