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映画『犬神家の一族』(平成版) (789文字)

 『犬神家の一族』は有名な映画ですし、同名の原作も有名ですしベストセラーになりました。
 映画化は二度されており、一度目に比べると二度目の作品の評価は芳しくないようです。今回テレビで二回目の方の作品をみましたが、二度目の作品評価は「悪くいわなければならない。」というバイアスが掛かっているような気がするので、私としては各自が判断するのがいいと思っています。
 映画作品をいいの悪いの言うのは主に映画評論家と称する人たちが多いのですが、彼らは絶対的中立の立場で評価しているのかどうか分かりません。

 で、二度目の作品ですが、私が観た限りでは「言われるほど悪くはない。」と思いました。
 内容は既に一度目の作品で知っていますし、二度目はそれをなぞっているので、既視感があるのは仕方ありません。出演者は二度目の方が豪華といえるように思います。

 この『犬神家の一族』の設定にある製薬会社は、戦時中に軍に覚醒剤を(当時は違法ではありませんでした。)納品して富を蓄えたという実在の会社をモデルにしたと読んだことがあります。
 もしそれが事実なら、原作のミステリが公開された当時の人々はそれを基礎知識としてこの本を読んだことでしょう。
 映画『クリムゾン・リバー2』にも、第二次対戦中のヨーロッパ戦線でアンフェタミンという覚醒剤が使われていたことが語られていますので、日本軍でも覚醒剤を使用していたことはあったと思われますし(日本ではヒロポンだろうと思います。)、その薬剤で大儲けした製薬会社があったとしても不思議ではないように思います。

 特攻隊員はヒロポンを打って出撃したといいますから、その覚醒剤で大儲けした一族が凄惨な目に合うということに、多くの国民はまったく同情しなかったであろうと思います。

 私は、そういう意識を持ってこの映画を観てしまうので、評価が屈折しているのかも知れません。

#犬神家の一族

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