単身赴任のときの食事 (978文字)
単身赴任していた頃、自炊していました。
先輩の中には「ずっとコンビニ弁当を食べていた。」という人がいましたが、私は自分で料理をすることにしました。
ただし、料理に時間を掛けるつもりはなかったので、簡単で短時間にできるものを作ることにしていました。
こういうとき、妻に相談してもどうせ無駄だと分かっていたので、自力で考えることにしました。
妻というか主婦の料理の技術は熟練度が高いので、初心者が相談しているにもかかわらず高度な内容の回答をするので、初心者つまり私のやる気が萎(な)えるのです。
いろいろ試したところ、煮込みうどんを中心に、具材をいろいろ工夫することで栄養のバランスを取ることを考えました。
ちょうど、一人用の土鍋が売っていたのでそれを使い、①味は薄め、②野菜は多め、③肉はほどほど、④魚は居酒屋かたまに実家に帰ったときに食べる、ことにしました。
うどんのつゆは、削り節とメンミが主で、塩や砂糖などは微調整が面倒なのでほどんど使いませんでした。
まな板は小さなものにして、食器類の洗い物の量は極端に減らす。
麦茶用の容器に水と昆布を入れて冷蔵庫に入れて出汁をとることもしましたが、麦茶用の容器を洗うのが結局面倒なのでやめました。
でき上がった煮込みうどんは、台所で立って食べます。
食べ終えたらすぐ食器類を洗います。
この食べ方の利点は、うっかり食べ物を落としたとしても、シンクの中に落ちるので掃除する必要がないことです。
このことの便利さから、私はいまでも粉が落ちる食べ物は台所のシンクの上で食べます。信玄餅(「しんげんもち」 餅に、きな粉をまぶした餅菓子で、黒蜜をかけ、付属の楊枝で食べることになっています。食べる際にきな粉や黒蜜が溢れるため、金精軒が薦める「信玄餅の食べ方」があるそうです。)などは、ストレス無くおいしく食べることができます。
ビスケットやカステラなどもシンクの上で食べるのがいいですが、テーブルに向かい、下にごみ箱を置き、粉がごみ箱に入るようにして食べています。
単身なので、誰に気兼ねすることなくおいしく食べることができました。
単身赴任が解消され、自宅に戻ってきたいまでも同様の食べ方をしているので、妻はその都度「その食べ方、なんとかならないの?」と言いますが、なんとかする気はありません。