決闘裁判 (647文字)
以前、「現在の裁判制度は欧州の決闘裁判から派生している。」と聞いたことがあります。
そのときの私の決闘についてのイメージは、決闘する両者が背中合わせに立ち、各々は手に単発式の拳銃を持っています。
そして、審判の号令により各々が前に向かって同じ歩調で何十歩かあるき、規定の歩数に達したら振り向いて発砲する。
と、いうものでした。
しかし、現実の決闘裁判は、銃が発明されるかなり前から行われていました。
しかも、その決闘裁判は文字で書かれた法により行われるというもので、制度としての体裁が整いつつあるように思われます。
このような裁判を国家の中で同じように運用するには強い政治権力が必要だと思いますので、統一国家ができてはじめて可能だったでのでしょう。
統一国家成立前にも、部族でのルールとして紛争解決手段として決闘があったでしょうが、統一ルールにはなっていなかったでしょう。
現代の日本では、判決内容を読まずに判決を批判するネット記事が少なくないように思います。これは、ネットだけでなくマスゴミにも多いと思います。
現代でそうなら、決闘裁判の時代なら文盲の人が多かったでしょうし、情報伝達の不効率さや不正確さは問題にならないくらい多かったでしょうから、統一的な手続きで決闘裁判を行うことはかなりの困難性を伴ったものと思います。
法学部で受講できる講義に「西洋法制史」というのがあります。
かつては、「誰がこの講座を受講するんだろう。」と思っていましたが、今は私が受講したい気持ちです。
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