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プロペラが機体の前にある飛行機の特性

 プロペラ飛行機というと、プロペラが機体の前に設置されるデザインの飛行機(牽引式)を連想することが多いと思います。
 ですが、プロペラが機体の後ろについている機体もあります。旧日本軍の震電がそうです。
 ところで、プロペラは回転するので、その反作用が生じます。反トルクです。
 プロペラがパイロットからみて右回転(時計まわり)の場合、その飛行機にはパイロットからみて左回転(反時計まわり)の反トルクが働きますので、飛行中の飛行機の姿勢を水平に保つために主翼のエルロンで調整するものだと思っていました。

 あるとき、ある地域でトップクラスのRC飛行機操縦者が「プロペラの影響を避けるため垂直尾翼の取り付け角度を調整する。」と言うのを聞いて疑問を持ちました。その人がいう「取り付け角度」とは、飛行機の機体の前後を通る中心線に対して角度を付けて垂直尾翼を取り付けるということのようです(この角度のある垂直尾翼の取り付けの様子は、機体を上から見るとはっきり分かるはずです。)が、それがどう反トルクと関係があるの全然理解できませんでした。

 ところが最近、プロペラ飛行機(機体の前にプロペラがあるタイプ。牽引式。)のプロペラが回転すると、反トルクの他にも機体に影響を与える力が働くことに気づきました。それは、回転するプロペラが巻き起こす渦状の風の影響で、これが機体に当たるといろいろなことが生じます。
 その一つが垂直尾翼への影響です。
 ここで想定している垂直尾翼は、マスタングP51Dやゼロ戦のような機体に付いているような垂直尾翼です。
 ここにプロペラが起こした渦がぶつかると飛行機に、パイロットからみて、右方向に傾ける水平方向の力が働くことになります。
 そこで垂直尾翼を少し左に角度を付けて取り付けると、プロペラによる渦の影響を打ち消すことができそうです。

 この考えが成立するかどうかは未確認ですが、今のところ正しいように思われます。

 このプロペラによる渦は、機体後方にプロペラがある震電のような飛行機(推進式です)には関係ありません。
 その分、震電は設計が簡単だったかというとそうではなく、別の難しい問題があったようです。

#反トルク #牽引式 #推進式

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