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死んだほうがいいですよね、この子。

父と近所の町中華でラーメンを食べた。

そのあと軽いデザートをセブンで買ったところで、
外に外国人の親子が自転車を漕いでるのが見えた。

かなり大柄なお父さんと小学校低学年ぐらいの華奢な少年が、自転車に乗っていた。
2人ともカゴに大きな箱をくくりつけていて、どうやら何か大きな買い物をしたようだった。
少年の自転車はまだ小さく、バランスを取るのが難しそうだった。

少し心配だなと見ていたところ、案の定少年がバランスを崩して植え込みに倒れ込んでしまった。
ここでショッキングだったのは、
少年が自分のことよりまず怯えた顔で父親を見たことだ。そして父親も全く心配するそぶりなく、すぐ大声で叱りつけていた。

小心者の私はショックを受けながらもその様子を横目に足を進めた。
信号に引っかかり待っていたところ、その親子がちょうど追いついて来て並ぶ形になった。

すると、まだ赤信号なのに少年がヨタヨタと渡ろうとしたので、
「まだ赤信号だから危ないよ」と声をかけると、
父親が私に、
「死んだほうがいいですよね、この子。」
と言った。

驚きのあまり、
「そんなことないです。」の一言しか出なかった。


転んだ時の少年の怯えた顔。
少年にも聞こえるように死んだほうがいいと言う親。
聞こえたはずだが顔色ひとつ変えない少年。


全てがショックだった。
そして自分があまりに無力だった。情けなかった。


自戒の意も込めて、ここに記載。

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