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エレベーターの調速機(ガバナ装置)について

調速機(ガバナ装置)は、エレベーターの安全運行において極めて重要な役割を果たします。この装置はエレベーターの速度を監視し、過速度が発生した場合に自動的にエレベーターを停止させる機能を持っています。これにより、乗客の安全を確保し、エレベーターの運用に安定性と信頼性をもたらします。

先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。

調速機の必要性

エレベーターは高層ビルや商業施設などで頻繁に利用され、多くの人々が日常的に使用します。そのため、安全性は最優先事項です。調速機はエレベーターが設計速度を超えることなく運行するための安全装置であり、仮に故障や異常が発生しても、エレベーターが制御不能な速度で落下することを防ぎます。

調速機の機能性

調速機の主な機能は以下の通りです:

  • 速度監視
    エレベーターの運行速度を常に監視し、設定された速度を超えた場合に作動します。

  • 過速度検知
    過速度が検知されると、調速機がブレーキ装置を作動させ、エレベーターを停止させます。

  • 安全装置連動
    調速機は他の安全装置(例えば、オーバースピードガバナーやセーフティギア)と連動して、より高い安全性を実現します。

調速機の性能

調速機は高精度で動作し、エレベーターの速度を正確に測定します。これにより、過速度が発生した際に迅速に反応し、エレベーターを安全に停止させることができます。また、調速機は耐久性に優れ、長期間にわたって安定して動作します。

調速機の効果

調速機の設置により、以下のような効果がもたらされます:

  • 乗客の安全確保
    過速度による事故を防ぐことで、乗客の安全が確保されます。

  • 信頼性向上
    安定した運行が可能となり、エレベーターの信頼性が向上します。

  • 保険料の低減
    安全装置が充実していることで、保険料の低減が期待できます。

メンテナンスについて

調速機は定期的なメンテナンスが必要です。点検のタイミングや方法について以下に詳述します。

点検のタイミング

調速機の点検は通常、以下のタイミングで行います。
定期点検→6ヶ月ごとに定期点検を行います。
年次点検→年に一度、より詳細な点検を行います。
異常発生時→異常が検知された場合、即時点検を実施します。

点検方法

外観検査
調速機の外観をチェックし、異常がないか確認します。

動作確認
調速機を実際に作動させ、正常に動作するか確認します。

速度測定
エレベーターの実際の運行速度を測定し、設定速度と一致しているか確認します。

ブレーキ装置の点検
調速機と連動するブレーキ装置の動作を確認します。

電気系統の点検
調速機の電気系統をチェックし、異常がないか確認します。

交換のタイミングと費用

調速機は耐久性が高い装置ですが、長期間使用すると劣化します。
使用年数は通常、10〜15年が交換の目安で、交換費用は装置の種類や設置条件によりますが、一般的には数十万円から百万円程度が相場です。

まとめ

調速機はエレベーターの運行において不可欠な安全装置であり、過速度を検知してエレベーターを停止させることで乗客の安全を確保します。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたり安定した性能を維持することができます。エレベーターの安全性を高め、信頼性を向上させるために、調速機の重要性を理解し、適切に管理することが必要です。
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