インフルエンザ徹底攻略

こんにちは、やっと大学に行けるようになった段ボールです。久しぶりの電車の中で今日も日記を書きます。
1週間、インフルエンザA型で寝込んでいた僕ですが、このまま終わらせてしまっては、この期間の僕がした事があんなに辛かったのに何にも昇華されずに報われないので、日記に書き記します。
さぁ、始めよう。先週最も惨めだった男の物語を。
彼との出会いは突然でした。
テスト期間や結婚式などが続いた激動の11月を乗り越え、ここから沢山ゲームをするぞと、その時の僕は意気込んでいました。
動かない身体、上がる体温。その時直感走る。

俺の絶望はまだ終わらない。

病院で診断を受けた時、僕は深い不快絶望の中にいました。あんなに楽しみにしていた平穏な日常から僕の元から走り去る。余韻すら残さず。

泣きました。

そこからの記憶は高熱でぼんやりとしています。起きてはトイレに行き、水を飲み、バックパックバトルの配信にクソコメを連打して眠る。そんなサイクルを数日繰り返しました。
クソコメ連打が功を奏したのか熱は少しずつ下がり始めました。
この時の僕はやっと下り坂に入ったかと気分を落ち着けていました。ここからが本当の苦の上り坂であるということに哀れにも気づかずに。
今までぼんやりとしていた意識は解熱によって段々と鮮明な物へと変わっていきます。
勿論、苦痛も鮮明に。これがまぁ辛い。今までは熱による体力の減少などで割といつでも寝れたのですが、意識がしっかりしている分、続く苦痛は想像を絶する物でした。催す吐き気、響く頭痛、薬の副作用の下痢。最悪の日々が始まりの鐘を鳴らす。さながら、その鐘は、学生時代プールが泳ぎきれず授業のチャイムが鳴っても1人で泳ぎ切るまで教室に帰れないと告げられた。あの地獄を彷彿とさせる物でした。
このままでは心が折れてしまう。預言者として、諦めの心というのは最も恥ずべき感情。何とか希望を見出さなくてはいけない。
俺に希望を与えてくれるものは、この暗闇から救ってくれるものは、僕は脳をフル回転します。

ゴッドフィールド。

いつでも俺の側に居てくれる、支えてくれる。生き方を教えてくれる。そんな日常にずっといたゲームの事を僕は思い出す。

悪化しました。
許せねぇよ。
普通に気分悪くなっただけだった。レートは上がったけど。

そこからがまた地獄、気づくと深夜になっていました。何日目の深夜だったかは覚えていません。ただ今までで1番辛い夜でした。深夜なので親も眠っている。助けは来ない。ウィダーなどしか摂取できなかった事で衰えに衰えた体力が限界を迎える瞬間。部屋に常備した水は無くなった。取りに行かなくては。しかし、僕の部屋は三階、水は一階に置いてある。階段を下らなくてはならない。僕のこの体力で、バリアフリーの対義語みたいな急勾配をしていている我が家の階段を。熱を測ると解熱していたはずの体温は38度に近づいている。絶望。
しかし、行くしかない。このままでは脱水症状でどのみち終わる。預言者としての誇りを思い出せ。どんな状況でも諦めない強さを。下る下る下る。ただ一心不乱に。手に取る。上がる上がる上がる。走馬灯を意識の奥に感じながら。何とか水を入手した僕は部屋に戻りそれをコップに注ぐ。その一口は希望を与えるものと信じて。
現実は、非情。
何故かその水の摂取で一気に催す吐き気、倦怠感。階段の上り下りで僕の体は限界を越えていたのでした。
頭が機能しない中、薄れゆく意識の中で、パソコンを立ち上げる男。イヤホンをつけ、立ち上げる。

ATRI -My Dear Moments-
沈みゆく世界の中で君を見つけた。

この時の僕が考えていたことはよくわかりません。ただそこには深夜、インフルエンザの辛さに泣きながら、アトリの歌声を聞く変質者の姿がありました。異様な光景だったと思います。ただそんな奇行が、僕のその瞬間唯一の心の支えとなっていました。

後に彼は「この行動がなければ、僕はあの時死んでいました。たとえ、キモすぎ罪で死刑判決が下されても、この感謝だけは忘れることはないだろう」と語っています。

気づくと意識を失っていた僕は、鳥の声で目を覚ます。体温は37度に落ち着き、その後も体温が上がったり下がったりする日々が続きます。

やっと世界に、日の光が降り注ぐ日常に戻れる。そんな僕を迎えたのは、

違和感、違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感。痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み痛み苦痛苦痛苦痛苦痛。

その苦しみの原因は喉、唾液を飲み込むだけで激痛が走る。完全に腫れ上がっている。またも希望が走り去る。

病院に行くと咽頭炎の併発。発生等は暫く控えるようにと。
まぁ安静にするしかないなと思い、とりあえず薬を飲む、ふとLINEの通知に目をやる。

「本日のシフトです。(添付ファイル)」

し、ふと?ば、いと?
インフルエンザな事は報告したし、まぁ入ってないけど一応確認しておくか〜
(段ボール先生 17:30〜2コマ)

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今は14:00をとうに回っている。今から連絡して間に合うのか?クビになるのではないか?そんな葛藤を思考を支配する。

背に腹は変えられない。

お休みの連絡をする。申し訳なさを感じながら、現実から逃避するように眠りにつく。

起床、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い喉が痛い。
爆速で薬を飲む、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いお腹痛いお腹痛い。

そう薬の副作用がクッッッソきついのでした。しかし、この喉の腫れと痛み薬を飲まない訳にはいきません。鼻詰まりで鼻呼吸は出来ませんし、痛みに耐えながら気合いで喉で呼吸するしかない。薬は必須。
薬で熱は下がる。意識がはっきりとする。また、始まる。続く苦しみ。以前とは別ベクトルの。若干の酸欠、続く下痢。副作用で死ぬほど悪くなる気分。

電話。

「○○○大学の〜です。欠席の連絡についてなんですけども〜」

ぶち殺すぞ。こっちは死ぬほど気分が悪い。しかし、ここでちゃんと応対しないと成績がまずい。
何とか適当に相槌だけ打って乗り切り、また眠る。

起きると薬が切れて痛み、すぐに薬を飲む。薬物中毒者ってこういう気分なのかと初めて彼らに共感を寄せました。そんなループが続き、そして光。

ついに、熱も完全に解熱し、薬も最後のワンセット。この辛さももう終わる。しかし、今日は久しぶりの大学。辛い副作用を乗り切れるだろうか。

乗り切れません。今電車で吐きそうになりながら日記を書いています。もう帰りたい。気持ち悪い。俺の絶望はまだ終わらない。

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