2013年 春…『僕とある児童の出会い』

画像1 僕は、彼女と別れたあと、少しほっとしていた。埼玉県の社会福祉協議会や保健所にお問い合わせをして、『ボランティア』情報を集めていた。しかし、『介護業界』とは違い、少子化って言う割には、条件が厳しかった。これは、あくまで僕の考え方ではあるが、『医療』『介護』『福祉』の分野の仕事につく際には、僕は、『ボランティア』からスタートするようにしているのです。現場とは、『即戦力』が求められますので、何にも出来ない自分が、どこかの施設に入っても、周りの職員さんも困るように、僕自身が1番困ると思うからです。
画像2 色々な意見はあるとは思いますが、『ボランティア』でも、『パートさん』でも、『職員』さんも、ほぼ現場に入ったら、行う作業、仕事は一緒なのです。僕は、埼玉県にある『児童養護施設』の採用が、決まりました。僕にとって児童養護施設は、この時は『未知』の世界でした。でも、僕の『大切な仲間』が、児童養護施設を卒業していることと、僕は、子供が好きだった。だから、僕が出来る許容範囲内で、皆と向き合いたいと考えていました。
画像3 まずは、周3回スタートでの契約にしてもらいました。一応、本業のクロス屋の仕事もありましたのでね。僕の担当児童は…当時3歳(ひな君…仮名)でした。初日の日、施設長にひな君を連れて来てもらい、お互いにご挨拶をしました。僕は、ひな君の前に行き、少し離れひな君の身長にレベルを合わせて、『今日からひな君の担当になりました…アライです。』って、挨拶したのです。ひな君は、恥ずかしがり屋さんなのか、緊張しているのか、落ち着きがなく、施設長の後ろに隠れては顔を横から出していました。
画像4 施設長から、事前に『ひな君』の特徴、特性はお聞きしておきました。今日は、見守り重視って事を施設長からの指示であり、逆に児童から『要望』ありましたら、対応の方宜しくお願い致しますって言われました。そして、僕とひな君が二人っきりになり、図書室に向かいました。