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さくらの記憶

春は桜
花は桜
どうしてこんなにも心惹かれるのだろう
さくら
花ならたくさんある
春夏秋冬色とりどりに花を咲かせて愉しませてくれる
でも、桜は特別
小さい頃からいつも側にいた
寒くて堅くて重い冬が終わって
やっと暖かくてゆるやかでふわりと軽い春がやってくる
春を知らせに来てくれる

まだ小さかった蕾が少しずつ膨らんで濃いP!NKになって
窓から、もう、こんなに咲いたよと
枝を揺らせて教えてくれた
そうか、今年もたくさんの花を咲かせてくれてありがとう
去年とは違う
来年とも違う
今年の今年だけの今だけのさくら
これを見たくってずっと待ってた

窓のひかりを浴びて
花がすっかり薄いピンク色になった頃には
街中もピンク色
こんなに桜の木があったなんてと
いつもびっくりする
おむすびみたいな山々も
ほんのりピンク色のまだら模様

あっという間に花びらは散る
でも、その散り際はとてつもなく美しい
あの滞空時間、一枚一枚がひらひらと空中を舞いながら地面に吸いよせられる

桜の花びら カラマツの葉
カラマツの葉も枝から離れるとき
とても美しい空中の絵を描くらしい

空へ飛び出す
解き放たれる
風に舞う
景色が記憶に刻まれる
どちらにも

花の妖精も楽しそうに踊っている
はなびらとダンス
葉っぱはメリーゴーランド

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